Nuts & Frets Repair & Customize
施工例
【ナット交換】
ナットはその楽器のサウンド、演奏性、音程感等に大きな影響がある重要パーツでありながら、ギターの中でも最も消耗が激しい部分でもあります。 ギター修理の中でも需要の多いメニューではありますが、楽器に合わせた精度の高いナットを作成するためには、熟練の技術を必要とします。
当工房では伝統のボーン(牛骨)ナットを初めとし、多くの素材を常時在庫しております。
【Fodera 6弦ベースのブラスナット交換】
ギターとは異なり、モデルにより寸法に大きな差がある6弦ベースのナット。交換作業を適切に行うためには、その楽器の構造からお客様の使用する弦のゲージまで、様々な要素を考慮して寸法決めする必要があります。
ハイエンドベースとして有名なこのモデルも、6弦ベースとしては極めて小さい指板R(R9inch)と広い指板幅を持つため、大きな真鍮の板材からナット素材を切り出し対応しました。
各弦溝のピッチや形状の精度はもちろん、全体の面取りや磨き上げまで丁寧に仕上げています。
(作業の様子を紹介したブログエントリーはこちら)
【フレットすり合わせ】
弦との摩擦により凹みが生じたフレットは、ビリ付きやピッチの不安定さ等、様々なトラブルを生み出します。経年変化により、ネックにイレギュラーな反りやねじれが生じた場合も、まずはフレットのすり合わせによる解決をご検討下さい。
フレット頂点を研磨することで高さのバラつきを抑え、再度しっかりと丸い形に成形し直すことで、ピッチの安定した高い演奏性を復活させます。
【フレット交換】
摩耗等によるフレットの損傷が大きい場合は、フレット交換が必要です。フレット自体に問題が無くても、ネックに大きな狂いが生じてしまった場合などは、フレットを交換する過程で指板形状を修正し、新しいフレットを打ち込むことで、その狂いに対応することも可能です。
ただフレットを新しくするだけではなく、フレット溝の修正やフレットエッジ、指板エッジの処理まで、責任を持って行います。
最近では、フレットサイズの変更や、ステンレスフレットへの換装等の需要も増えており、当工房では国産、海外製ともに、多くのフレットを常時在庫しております。
【63年製Stratocasterのフレット交換】
貴重なラウンドローズ指板期Fender Stratocasterのフレット交換。
このギターの歴史を物語る、演奏痕が激しい指板の状態を出来るだけ残すため、フレット抜き後の指板調整は必要最低限にとどめ、オリジナルより高さのあるフレットを装着。
それをしっかりとすり合わせることで、ローアクションにも対応できるネックコンディションとなりました。
(作業の様子を紹介したブログエントリーはこちら)
【ねじれの大きいネックのフレット交換】
非常に重篤なねじれが生じ、多くのポジションで音詰まりしてしまうベースの修理。
フレットを抜いた後、ねじれた指板表面を適切な形状に修正、新しいフレットを装着することで演奏上全く問題の無い状態になりました。
指板面の塗装は艶を抑えたサテンフィニッシュとすることで、工期と工賃を抑えています。
(作業の様子を紹介したブログエントリーはこちら)
【ビンテージテレキャスターのフレット交換】
メイプル指板は通常、塗装込みでフレット交換を行いますが、風格漂うビンテージギターにおいては、指板だけ綺麗になりすぎてしまうことも問題です。
右写真のパターンは、木部に悪影響のある汚れはしっかりと落としつつ、演奏による塗装の剥がれはあえてそのまま残すことで、フレットの問題のみを解決しました。指板の形状を修正出来ない分、もとよりやや高さのあるフレットをチョイスし、しっかりすり合わせすることで対応しました。
(作業の様子を紹介したブログエントリーはこちら)
【指板延長込みのフレット交換】
R7.25インチ、21Fのスモールフレットという、ビンテージ仕様のストラトキャスターネックを大型カスタマイズ。
指板を1F延長し、R12インチに形状変更。フレットサイズもモダンなミディアムジャンボに換装した後、色合わせ、グロス仕上げをして作業完了となりました。
見た目こそ大きな変化ではありませんが、弾き心地は別の楽器に生まれ変わっています。
(作業の様子を紹介したブログエントリーはこちら)
【フレットのバリ取り/エッジ処理】
フレットの浮きや、ヤセた指板からフレットが飛び出すことで、フレットのエッジが指に当たり、演奏に支障をきたすことがあります。
フレット1本1本のエッジを丁寧に面取りし、磨き上げることで、ハイエンドな弾き心地をお約束します。
【ローラーナットへの交換】
ローラーナットの取付は、ナット溝の拡張という作業を伴う専門性の高い作業です。チューニングの安定性を高めるアイテムですが、現在流通しているパーツは主に、指板がR9.5~R10インチ前後のものに対応しています。その他の指板Rでは不具合が出ることもございますので、ご注意ください。