まずは一つ宣伝をさせて下さい。
12日に発売となりましたギターマガジン2月号の特集企画「歪ペダル2017-2018」に、
当工房のSmoggy Overdriveが掲載されています。
ここ1年程のギターマガジンさんは各特集の力の入れ方が凄まじく、
私が言うのもなんですが、これでこそ専門誌と言う内容ばかり。
今回は現行歪み系ペダル69種のレポートなど、エフェクター好きには永久保存版間違いなしの内容です。
Smoggyも素晴らしいレビューを書いていただいておりまして感動。
そしてかれこれ20年程愛読している雑誌に自分の作品が遂に掲載されまして、
私にとってもとてもお目出度い話だったりもしております。
是非皆様もギターマガジン2月号、じっくりとご覧ください。
そのSmoggyは発売再開を目前に、今まさに死に物狂いで作業を進めております。
早い所では20日前後にはお届けが出来るのではないかと思っています。
相変わらず作れる数は少なくて申し訳ありませんが、
是非見かけた方は1度お試しください。
さぁ、
オールローズモデルは前回木工終了までお届けしましたので、
今日は完成まで一気に振り返ってまいります。
木工上がり後は塗装前の恒例行事、磨き上げです。
ヤスリの番手を徐々に細かくしながら、#600あたりで仕上げます。
研磨作業は本当に難しいです。
磨き過ぎは形が崩れてしまったり、寸法にズレが生じてしまう結果になります。
磨き不足は傷が整わず、美しくありません。
いろいろなことに留意しなければならない割に作業は単調で、正直全然面白くありませんが、
これをしっかりやらないと美しいギターにはなってくれません。
しかもしかも、今回はオールローズですから、
しつこいようですが硬いし匂いがきついしで、
いつものギターの倍は時間がかかりました。
ただここまでどれだけ大変でも、
この後その苦労が報われる瞬間が待っています。
いざ、塗装入り。
なんたる色気。
この日ばかりは、夜遅くまで無駄にこの姿を眺めてしまいました。
ローズウッドの流通規制は今後徐々に厳しくなるでしょうから、
はたして10年後も同じことが出来るかどうか分かりません。
ただ、なぜ条約で規制しなければならない程までにこの木が切られてしまったのかは、
この美しさを見ると良くわかりますね。
この後塗装をどう仕上げるかは少し迷いました。
世の中のハードウッドギターやベースは、
木の凹凸が残る位のサテン仕上げがされている場合も多く、
高級家具の様でそれもカッコいいからです。
ただ・・・
ギターと言えば、やはりグロス。
このローズが艶々に輝く姿を見てみたいと思い、
手間ではありますが、
丁寧にラッカーを重ねて仕上げました。
バフガケをしている時も、
塗装入りと同じくらい感動をします。
光の当たる角度によって杢が揺らいで見えるのは、グロス仕上げならでは。
もちろん、極薄に仕上げています。
ピックガードやバックパネルは艶消しサテン仕上げにしてみました。
オールローズギターというと、全体こんなイメージですよね。
当たり前ですがボディと色味が同じなので、
こうして仕上げ方を変えることで、
ローズウッドの異なった表情をお楽しみいただけると思います。
楽器の構成としてはシンプルですので、組込作業については特段変わったことはありませんが、
もちろん見えないところまで一切手を抜かず、出来る限りの仕上げをしています。
配線前にはキャビティをしっかりとシールディング。
銅箔テープと導電塗料を併用する、私得意のスタイルです。
ピックアップは当工房のオリジナルシングル3基。
これについてはまた次回のブログでもう少し詳しくご紹介をさせていただけるかと思います。
残りのパーツたちも丁寧に取り付けをし(このくらいの段階になると作業を進めるのに夢中で画像が全然残ってません^^;)、
いよいよ完成です。
おお、オールローズ!
オールローズですからもちろん全体色味は似ているのですが、
フィギュアドのボディ、
サテン仕上げで落ち着いたピックガード。
そしてダークトーンなネック。
3者3様の魅力で良いバランスにまとめ上げることが出来ました。。
重量は4.28kg。
フェンダータイプのギターとしてはやや重いですが、
平均的なレスポールよりは軽く、
実用的な範囲に収めることが出来ました。
次回ブログでは
このギターのコンセプトやサウンドについてのインプレッションをご紹介して、
オールローズ企画の締めとさせていただきたいと思います。