菊川ハンドメイドギターショーVol.2本番まであと2週間(え?もう?やばいんですけど・・・)
本番までこのブログでは、
当工房の出展作品をご紹介させていただこうと思います。
まずは、
以前ネック製作の様子をご紹介させていただいていた、
個人様オーダーのストラトキャスターです。
ボディ製作から完成まで、一気にご覧ください!
前回までのレスポールとのギャップが凄いですが、加工はこれで完了。
全て手作業ですが、1日で終わります。
ストラトは年代によって細かい所の仕様が違いますが、
特に何年のもの、ということは意識せず、
各部ストラトはこうあるべき、という基準で削り出しています。
丁寧に磨き上げたら、塗装へ。
色は3カラーのサンバースト。
フェンダーと言えばこのカラーな気がしますが、
元々アルダー材に施されたカラーリングです。
今回はアルダー材よりずっと白いアッシュ材を使いましたので、
アルダーに吹き付ける時よりもずっと暗めの色を作って塗っています。
アッシュの綺麗な木目よりも、3カラーサンバーストらしい色味を優先して着色しました。
その後クリアを重ねて乾燥、
そしたら塗膜の仕上げです。
ピカピカのグロスに仕上げました。
ただし近年の量産ギターのような厚いポリ塗装ではなく、
昔ながらのニトロセルロースラッカーを薄く吹き付け、
丁寧に仕上げた最高の質感の塗膜です。
画像は仕上げたて、一番綺麗な状態ですが、
ラッカーは経年変化の大きい塗料ですから、
ご依頼主にはそういった変化もお楽しみいただけると思います。
ストラトの配線については、
私はもういろいろ追い求め過ぎちゃってて、
ご説明が難しいので、写真だけ。
Leo Fenderの美学をリスペクトした上で、
最終的的にはそれをほとんど無視。
私が考える、理想的なストラト配線です。
ピックアップは当工房のオリジナルシングルです。
売り物に3発搭載したのは初めてですね。
そして組み上がったのがこちら!
とてもストレートな、ストラトらしいルックスの一品です。
ただ、素材選びから各作業、そして塗装、セットアップまで、
オーダーメイドとハンドメイドの利点を最大限に生かしたギターです。
ボディは超軽量のスワンプアッシュ1P材。
その響きの良さを殺さぬよう、前述の通り、出来るだけ薄く、丁寧に塗装をしました。
指板はブラジリアンローズ、ネック材はバーズアイメイプル。
こちらもフェンダー黄金期以上のグレードの材を、ご依頼主に直接お選びいただいています。
単なる回顧主義ギターではなくて、
ネック内にはカーボンロッド、フレットはステンレスと、
ネックの安定性やメンテナンス性を高める部品類を採用。
ビンテージタイプのシンクロブリッジとしてはおそらく世界最高峰の、Callaham Vintage S。
ペグも同じく、ビンテージタイプの最高峰、GOTOH SDS510です。
スペック的には一見ハイエンド過ぎるこれらのサウンドをまとめるのが、
当工房のオリジナルシングルコイル。
ストラトユーザーの方にこそ、是非一度お試しいただきたい、
素晴らしいギターになりました。
まるで広い会場で演奏しているようなとても奥行きのある音。
それなのに音像がぼやけることなく、アッシュらしいはっきりとしたサウンド。
いやほんとに、私の所有するどのギターよりいい音がするもので、困っちゃいますね。