各所でもご案内申し上げました通り、
2年ぶりにあのイベントが帰ってきました。
菊川ハンドメイドギターショー Vol.2!
当工房のウェブサイト内に、イベントの特設ページをご用意いたしましたので、
詳細はそちらでご覧ください。
どのギターブランドも生産本数が限られるため、
普段なかなか皆様にご覧いただく機会がございませんが、
少数生産だからこそのこだわり抜いたギターばかり、菊川に集います。
エフェクターやギター周辺アイテムも皆凄いですよ。
会場周辺にはコンビニすらございませんので、
たこやき、ポテト、酵素玄米ご飯やおにぎり、そして手淹れコーヒーまで揃ってます。
入場料、駐車場代、一切かかりません。
飲食関係のみ有料です。
11月25、26は是非ご家族、ご友人とご一緒に、
菊川で、濃密な時間をお過ごしください。
このところこのブログでご紹介しているオーダーレスポールも、
ご依頼主のご承諾を頂きまして、
菊川ハンドメイドギターショーに展示させていただくことになっています。
今日はそのレスポールの花形と言える、
ボディトップのアーチトップ加工の様子をご覧ください。
レスポールのアーチトップは高低差が10mm程あります。
ハンディルーターを使って段々に粗加工した後は、
数種類の鉋を使って削り出していきます。
ここから先は型とか治具とかの類もありませんので、
頭の中のイメージと、手先の感覚でひたすら形状を突き詰めて行く作業です。
相手はハードメイプルですが、
カンナをしっかり仕立てていれば、
このくらいまでは意外とすぐに形になります。
ところがここから、自分が納得行く形に仕上がるまでが長い。
ほんとに長い。
先ほど書いた通り、ここまで削りなさいという基準線があるわけではないので、
自分がOK!と思えるまでこの作業は終わりがありません。
ところがゲシュタルト崩壊ではないけど、
こういったものをずっと削っていると、
何が正解なのか良くわからなくなります。
そういったときは時間を置いてからまた見てみると
歪んでいるところやもう少し削ったほうがカッコいいところが出てくるから不思議です。
そんなこんなで必要以上に時間を使い、
こんなもんかなぁと思ったら、
一回磨いて表面を整えてみます。
表面の傷を荒めのヤスリで整えてから、
部屋を暗くして、照明を当てると、
マットな木材表面でも陰影が出ますので、より形状が確認しやすくなります。
そしたら気になる部分をまた切削、そして研磨、そして確認。
一か所削ると反対側もまた気になって、
お尻を削るとウェスト付近がまた気になって、
終わる気がしません。
まだなんとなく気になる部分はあれど、
キャビティを開けたりするとまた景色が変わってくるから、と自分に言い聞かせ、
一旦次の作業に進むことにしました。
ボディの縁に、バインディングを巻いていきます。
iPhoneのカメラ、白系の色味が飛んじゃうので良くわかりませんが、
真っ白じゃなくて、パーチメントカラーのバインディング材を巻いています。
指板の時と同様、セルボンCABという溶剤入りの接着剤で溶かしながら木材に密着させていく作業です。
溶剤が抜けきるまで数日置いて、
はみ出たバインディングを整えると、
おおお、それっぽくなってきましたね。
(もちろんまたアーチトップの形状も微調整している)
トップ材の木目、
センター付近が柾目に近いまっすぐで、端の方は板目です。
実はこれ、ビンテージレスポールに多い木取りで、
製材の段階からこうなるように狙ってやってみました。
カーリー杢ギラギラという木ではないけれど、
その分こういった木本来の素朴な木目が楽しめます。
こういった木目の感じはアーチトップならではで、
とても美しいですね。
ここまでくれば、後は早いです。
次回をお楽しみに。