明日3/24(日)は、
本年2回目の店頭リペア・メンテナンス相談会 at すみやグッディ藤枝店さんです。
お時間はいつも通り13:00~19:00。
ご予約不要ですが混雑する場合もございますので、
お時間には余裕をもってご来店下さい。
このリペア会の日程を打ち合わせさせていただいたのは、
年始のタイミングだったのですが、
その時には、
「まぁ3月末だったらさすがに工房移転も終わってるだろ」
と考えていたのですが・・・・
結果、まだ全然終わってません!
少しずつ作業出来る環境は整ってまいりましたが、
いかんせん私凝り性なもので、
どうも細かいところに時間を使い過ぎています。
というわけで、
一般の修理受付再開は4月の上旬ころになりそうです。
明日のすみやさんリペア会も、
ご相談いただく内容によっては、
納期までに大変お時間を頂いてしまうものもあるかもしれませんので、
予めご了承ください。
今日のブログは、
工房移転前に承ったピックアップ交換のご依頼。
ただピックアップを変えたいだけなのに、
木工やらなにやらいろいろ手間がかかるパターンのご紹介です。
写真左がお預かりした状態。
フジゲンのストラトキャスタータイプです。
極めてスタンダードな構成のギターですね。
右がピックアップ交換完了した状態です。
今回取り付けたピックアップは、
アクティブピックアップの代名詞、
EMGピックアップです。
作業の様子をご覧ください。
今回は3個のピックアップ全てEMGピックアップに交換しますが、
元が全てシングルコイルなのに対し、
ご依頼主のお持込はリアピックアップがハムバッキングに変わります。
そのため、リアのキャビティをハム用に拡張します。
フロントとセンターのキャビティは
形だけならそのままで良いのですが、
EMGピックアップは一般的なパッシブピックアップより高さがあり、
今回のフジゲンボディはキャビティ深さが不足。
そのため、約4mm程掘り足しました。
元のキャビティ壁が黒いですが、
これはノイズを防ぐための導電塗料が塗ってありました。
キャビティを拡張した部分も、
本当は導電塗料を塗り直した方がスッキリするのですが、
今回搭載するEMGピックアップは、
ノイズにめっぽう強いため、
導電塗料の効果もほとんど期待できません。
そのためコストを抑えるために、
導電塗料は再塗布せずそのまま組込みました。
さぁ、配線していきましょう。
ピックガードのリアピックアップ部分を
EMGのハムサイズに合わせて拡張し、
パーツを付けたら配線です。
ところが・・・・
ご覧のとおり、
EMGピックアップ付属のアッセンブリ、
今はほとんどコネクタ方式で、
はんだ付けするところがありません。
線の長さも基本的には調整出来ませんので、
私的にぜ~んぜん面白くない作業です。
もちろん、
半田ごてをお持ちでない方でも配線出来る、
ユーザーライクな面はあるかもしれませんが、
そもそも前述の通り、
木工加工やピックガード加工等、
ユーザーライクじゃない面がてんこ盛りなので、
ここだけ突然こうされてもなんだかなぁ、と言った感じ。
まぁつまり何が言いたいかというと、
私から配線作業の楽しみを奪わないでおくれ。
あ、今回もう一つ作業をしていました。
EMGピックアップを動作させるためには電池が必要です。
電池はボディ表のキャビティ内にもなんとか収まるのですが、
今回はボディ裏にバッテリーボックスを増設し、
電池にアクセスしやすくしています。
シールドの挿しっぱなしさえ気を付ければ、
電池は意外と長持ちします。
そのため
「そんなに交換しないから、電池ボックスはいらない」
とおっしゃる方もいらっしゃいますが、
そうじゃあないんです。
電池ボックスのメリットは
「電池交換が楽」じゃあなくて
「電池を取り出すのが楽」なことです。
つまり、いつでも電池残量が気になった時に電池を取り出し、
チェックすることが出来るので、
大事な時にうっかり電池が切れてしまうというミスを減らすことが出来ます。
電池取り出すためにドライバーを用意する。
これだけでも意外と面倒ですからね。
こうして組み上げて再度セットアップしたギター。
ストラトのリアピックアップは斜めについていますので、
ご覧の通り元のビス穴が残ってしまいますが、
そのギターのカスタマイズ歴を物語る様で、
私はむしろ好きです。
一昔前はアクティブピックアップというと
「音が不自然で好きではない」みたいなご意見を聞くこともありました。
ただ、ギター以降はアクティブツールだらけの今、
エフェクター全く使いません!って方も少ないわけで、
変にアクティブピックアップを使わず嫌いするのは勿体無いです。
むしろご自宅で宅録される方も多い今、
この信号の安定感とノイズの少なさは、
もう一度見直されても良いのではと思うんですけど。