当工房節目の年の記念すべきニューモデルギターが完成しました。
今日はうんちく少なめ。
写真多めで主要スペックをご紹介させていただきます。
それぞれの画像はいつもより解像度高めです(iPhoneだけど・・・)。
是非拡大してご覧ください!
モデル名は「Tetra(テトラ)」にしました。
今年は開業4年目の年。
工房のオリジナルモデルとしても4作目ですので、
4にあやかってTetraです。
なんといっても今作の目玉は、
ボディトップのブラジリアンローズウッドです。
説明不要かもしれませんが、
ワシントン条約の付属書Ⅰ類で保護されている希少材で、
現在は国際間の商取引が出来ません。
この木はもともと建材か家具として使用されていたものの一部を再利用したもので、
国内で眠っていたものを、
今回ギターに使わせていただきました。
ローズではなかなか見ない板目のブックマッチ材で、
ボディセンターに白太部分が混在しているのもまた素敵です。
その希少材をギターらしく、
ラッカー塗料を使ってつやつやグロス。
材の良さを殺さぬよう、丁寧に極薄に仕上げています。
この迫力は写真では伝わりません。
是非直接ご覧いただきたいです。
ボディバックはスワンプアッシュ。
こちらは贅沢にワンピース材です。
単体でも十分見栄えの良い材なんですが、
今回はボディトップに主役を譲るために、
ダークトーンに染色してみました。
指板ももちろんブラジリアンローズ。
杢入りでミステリアスな雰囲気が漂います。
ボディトップのブラジリアンローズとは色味がやや異なり、
良いアクセントになっています。
ネックはローステッド(熱処理)されたカーリーメイプル。
ローストされると杢理もさらに際立ちます。
こちらは高級家具のような手触りのウレタンサテン仕上げ。
サラサラです。
ピックアップはこのギターが初披露となりました、
当工房のオリジナルピックアップ。
詳細はまた後日ご紹介いたしますが、
国内有数のピックアップビルダーさんにご協力頂いています。
フロントピックアップはテレキャスタータイプではなく、
ストラトタイプのシングルコイル。
こちらは今後ピックアップ単体でも展開予定の、
Smoggy Single Coil Pickup(仮称)です。
ブリッジも多くのパーツを取り寄せた中で、この組み合わせを選びました。
プレートはCallaham。
サドルはテレキャスターらしいブラス3連でありながら、
正確にオクターブ調整が出来るGOTOH製です。
ダークトーンな色味の中で大きなアクセントとなっている
素敵な色味のノブとピックガード。
当工房のSmoggy Overdriveの筐体も手掛けていただいている
畑精密工業さんにお願いした、
当工房別注カラーのHATAローレットハットノブと、
特注仕様のピックガードです。
ピックガードはA1015というアルミニウムで出来ています。
特にこだわったのがその色味で、
ゴールドでは無く、
どちらかというとシルバー。
ニッケルメッキが少し黄ばんできたような感じ。
そんなわがままなアルマイトカラーをお願いしたら、
こんな素敵なパーツが出来上がってきました。
ノブを良~くご覧ください。
なんと数字の刻印もゴールドカラーです。
「ダブルアルマイト」という手間のかかる工程を経て実現されています。
ご覧のとおり、レスポールのようなポインターワッシャーを付けてますので、
視認性もグーンと向上しています。
ピックガード表面は梨地仕上げ。
フェンダー社のアノダイズドピックガードを
さらに美しく上品に仕上げたような質感です。
こうして無事仕上がりましたギター。
サウンドも狙い通りで、
伝統的なテレキャスターのワイドレンジなサウンドに、
ブラジリアンローズならではの魅力的な倍音構成が加わっています。
この低音感は普通のテレキャスターでは味わえません。
硬い音を予想される方もいらっしゃるかと思いますが、
そうならないようにいろいろ考え、工夫して作りましたので、
ブラジリアンローズを使った意味のあるしっかりとした個性はありながらも、
使い勝手の良い音にまとまっていると思います。
このあたりをどう考え、どう製作してくか、
個人製作ハンドメイドの楽しさや魅力が詰まっていて、とても楽しいです。
また後日このブログでご紹介させていただければと思います。
とにかく、
いままでこういった音を出すギターを、
私は弾いたことがありません。
レンジがとても広いのに、
タイトでアダルト。
もちろんテレキャスターの匂いも垣間見えます。
このギターは既にお取扱いいただく、
島村楽器静岡パルコ店さんに納品させていただきました。
販売に関する詳細はお店に直接お問い合わせ下さい。
沢山の方々に見て触って弾いて頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします!