2016楽器フェアも終幕。
私は初日、二日目とお邪魔して参りました。
持ち時間の全てはほぼ挨拶周りと情報交換で終了し、
相変わらずゆっくりギターを見る時間はありませんでしたが、
楽しかったです。
いずれ当工房も出展出来ると良いなと。
そして早いもので、
2016年も残すところ2カ月となり、
ここに来てやっぱり修理のご相談が増えて参りました。
毎年11月下旬から修理品で大渋滞となりますので、
年内のご返却をご希望の方は、
出来るだけ早くご相談下さいますようお願い申し上げます。
今週土曜、12日には、
きくがわ楽器店頭に終日出ている予定です。
楽器の状態診断や修理のご相談など、お気軽にご来店下さい。
今日ご紹介するのは、
この2016年に承った仕事の中で、
多分一番しんどかったこのギター。
鮮やかな白いこのギター。
セミアコギターの代表格、Gibson ES-335です。
私は以前、
このギターを白くリフィニッシュする作業を手掛けさせていただいています。
(その様子はこちらをご覧ください)
想像を超える大変な作業で、
正直今後数年間はやりたくありません。
今回ご依頼主から新たにご相談いただいたのは、
「これをやっぱり赤に・・・」じゃあなくて、
写真右のいかついやつ、
「Bigsby B-7トレモロユニットを載せたい!」というもの。
今でも大人気のこのBigsbyユニットですが、
開発されたのはおそらく50年以上前。もっとかな?
構造的には原始的で、
お世辞にもハイテクとは言えませんが、
そのレトロなルックスがもたらすインパクトは抜群。
「カッコ良ければいいじゃない!」
というパーツの代表格ですね。
さっそく取り付けて参りましょう。
まずボディエンドに、
ユニットを固定するネジの下穴を開けます。
下穴入口の塗料は丁寧に面取りし、
ネジ止め時の塗料割れを防止します(これ大事)。
さらにもう1つ、今度は長いドリル刃で穴を開けていますが、
これ何かと言いますと・・・・
ご覧の通り、リード線を通す穴です。
エレキギターは
弦がノイズを拾ってしまうので、
弦が常に当たっている金属パーツからリード線を引っ張り、
アースに接続しておくのが普通です。
この335やレスポールの場合、
多くはブリッジ後方のストップテイルピースのスタッドに
そのための線が挟み込まれているのですが、
今回はそのテイルピースをBigsbyに変えてしまいますので、
ご覧の通りの場所からアース線を取りなおします。
写真の様に、長い線をリアピックアップまで引っ張ってハンダ付けします。
そしたら残りのビス穴を開けて取り付け、
弦を張り、セットアップして作業は完了。
やっぱりカッコいいっすね。
元のテイルピースのアンカーは処理せずに
そのままご返却させていただいたのですが、
後日オーナー様より写真が送られて参りました。
テイルピース穴を隠すための、
専用?プレートをお貼りになられたようです。
この全体のモノトーンな雰囲気素敵過ぎます。
私もBigsbyユニット搭載のギターが
作ってみたくなっちゃいました。