今週土曜日9/10はすみやグッディ藤枝店さんの
店頭ギターリペア・メンテナンス相談会。
今回は珍しく土曜日開催。
13:00スタートです。
ご相談やお見積りは無料ですので、
皆様の愛機の状態診断に、お気軽にご来店下さい。
さぁ、今日はご一緒に
ひたすら木を眺めましょう。
個人様オーダーのレフティギターも、
いよいよ塗装へと向かいます。
以前ご紹介したのは左の状態でしたでしょうか。
形は出来上がってますが、
まだまだ傷が荒く、
肝心の木目が良く見えませんね。
写真中央が、傷を細かく整えた状態。
バーズアイメイプルやハワイアンコアの杢理が浮かび上がってきました。
塗装前には、
木材の角を丁寧に面取りして行きます。
ギターは曲線が多く、
場所や繊維の方向で木の硬さも違いますので、
基本全て手作業です。
丁寧に磨き上げ、面取りされた木材は、
それだけでとても美しいです。
前述の通り、この面取り作業は手作業ですから、
均一に綺麗に丸めていくのはなかなか時間のかかる作業です。
低価格帯のギター(某G社も・・・)の角が
やたら角ばっているのはこういった理由ですね。
この面取り作業を適当に済ませてしまうと、
急に安っぽく見えてしまうから不思議。
塗装前で気持ちは逸りますが、
手は抜けない作業です。
濃淡のコントラストが奇麗なハカランダ指板も、
塗装中はマスキングしてしまうので、
しばしこの眺めともお別れです。
ネックをひっくり返すと、
裏側はこんな状態。
これぞバーズアイメイプル。
ブツブツしてて気持ち悪いとおっしゃる方もいますが、
私はこれに魅せられてしまった人間です。
それでもここまで粒が多いのは初めて。
粒が多すぎて、研磨中の傷が見くく困りました。
そうして磨き上げたネックは、
ご依頼主のご希望で、
塗装前に1工程加えることとなりました。
ヘッドの表、
メイプル部分以外をマスキングし、
ブラウンで染色。
さぁどうなる!?
そしたらいよいよ塗装の最初の工程、
目止めのシーラーを吹きつけます。
写真左が染色後の木地の状態。
写真右がシーラー塗布後です。
これは中々見たことが無い雰囲気ですね!
個性的ではありますが、決して派手ではありません。
バーズアイの眼の部分が濃く染まり、
もうメイプルには見えませんね。
グリップ側を見てみましょう。
バーズアイメイプル、
写真だと照りが見えないので
ただブツブツしているだけの様に見えますが、
実際にはこの1粒1粒が光の角度でキラキラします。
写真でそれをお伝えするのが難しいのですが、
頑張って撮ってみました。
バーズアイの眼の部分は
それこそ小さい節のような硬さ。
粒の数だけ、
それを削る刃物も引っかかります。
これを綺麗に削り上げた私を
遠慮せず褒めてください。
実際にはこの写真でも、
魅力の半分も伝えきれていない程、
ものすごいギラギラとした迫力があります。
バーズアイメイプルにこのような杢理が表れる原因は
未だに解明されていないそうで、
そういった神秘的な部分もこの材の魅力ですね。