私の大好きなデジマートさんの人気木フェチコラム最新号は、
今回は私も大分お手伝いさせていただきました。
バックナンバーもとても面白いので、
未体験の方は是非ご覧ください。
これであなたも木フェチの仲間入りです。
私も未だに大変勉強になることが多いこのコラム、
執筆されているのは西東京の孤高の材木商、
FINEWOODの森さん。
私も普段大変お世話になってます。
お客様からの無理難題なマニアック材のリクエストは、
そっくりそのまま森さんに投げてみます。
(大抵は数日後に「当たった瞬間ホームラン材」の画像が送られてきます)
と思って私が今進めているオーダーギターの木を見てみたら、
あらあらやっぱりFINEWOOD材が沢山。
私もこのところ「修理屋さん」とか「エフェクタービルダーさん」とか言われてばかりなので、
「ギター製作家」としての一面もアピールしておくこととします。
こちらはフェンダータイプギターのネック製作の一番最初の状態です。
ネック材はカーリーハードメイプル。
杢の美しさも素晴らしいですが、この材はそれだけにとどまらず、
木取りも本柾目。
指板材はブラジリアンローズウッド。
ブラジリアンらしい蜘蛛の巣杢が印象的です。
どちらもFINEWOODさんから仕入れさせていただいた材です。
加工序盤でこの美しさですから、
仕上がった時はきっと失禁ものですね。
ちなみにカーリーメイプルネックは、
プレーンなメイプルに比べると、狂いのリスクが大きいです。
そのためメーカーによってはネック材に採用しないところもあります。
当工房も「無条件で作ります!」というわけにはいかず、
まずネック材としてしっかりした木取り、硬さがあり
一定期間ストックしていて安心できるものであること、
寸法や構造等で狂いにくい設計にすること等、
いろいろな制約の中でのみお受けしております。
ネック材は何よりも質が重要。
見た目を最優先に選ぶのは危険です。
この個体の様に両立している材は大変希少ですね。
このネック材はまだ切り出した直後ですので動きがある可能性があり、
このまましばらく寝かせて様子を見ます。
ここから先は別のギターのネックです。
こちらは私が大好きなバーズアイメイプルを使ったネック。
ネックとしての本格的な加工は
トラスロッドの仕込みから始まります。
ネック中央にたわませた鉄芯を仕込み、木材でふたをします。
加工精度が悪いとロッドが効きませんので、
とてもとても重要な作業です。
写真中央の黒い2本のラインはカーボンロッド。
カーボングラファイトで出来た棒をネックに仕込むことで、
木材の剛性を高め、ネックにかかる力を分散する効果があります。
その後は指板を接着します。
指板はこちらもブラジリアンローズ。
先ほどの物とは雰囲気が異なり、
黒と茶色のコントラストが美しい個体ですね。
ヘッドにも何か接着してますが・・・・
こんな感じになりました。
ヘッド先端に埋め込んだのはハワイアンコア。
このコアはボディのトップ材に使う予定の材の端から切り出したもので、
ご依頼主といろいろ相談しながらこのデザインになりました。
5:1のペグ配置も個性的で、
オーダーギターならではですね。
こういった作業も、
メイプルとコアの間が隙間だらけだと台無しですから、
加工精度を高めることが重要です。
写真の右下は木目を確認するために、
ヘッド表にシンナーを塗ってみたところ。
こうすると塗装後の色味等が確認出来ます。
こちらは当工房初のレフティギター。
いつもとは逆の作業も多々出て参りますので、
とにかく間違えないように気を付けなきゃ。
最初の難関、サイドポジションマークは無事反対側に入れましたよ。
こちらのギターは、
指板のブラジリアンと、コアがFINEWOOD材です。
森さん、いつもありがとうございまーす。