新規の修理受付を休止させていただいているおかげで、
お預かり品の作業も以前よりハイペースで進んでおります。
明日よりまた新規の修理受付を再開いたしますが、
大がかりなカスタマイズ案件等には、まだ手が回りません。
当面の間は、
修理全般と、簡単なカスタマイズメニューの受付が中心となります。
よろしくお願いいたします。
修理受付再開の最初は、
すみやグッディ藤枝店さんの、店頭リペア・メンテナンス相談会。
17日13:00~19:00、すみやさん店頭でお待ちしております。
ご予約は不要、受け付け順にご相談を承ります。
混雑時はお待ちいただくこともございますので、
お時間には余裕を持ってご来店下さい。
ご相談と楽器診断は無料です。
(修理をお申込いただいた場合は、当工房の規定料金を頂戴いたします)
お気軽にご来店下さい^^
この梅雨時期は本当に沢山の楽器をお預かりいたしました。
iPhoneのカメラロールを眺めていたら、
いわゆる「ハイエンドギター」と呼ばれる類の物が多いのに驚きました。
印象的だったものを振り返ってみます。
こちらは説明不要でしょうか。
PRSのMcCarty 10top。
なんと珍しい、オールローズネックです。
ご依頼内容もなんとも珍しく、
ヘッドロゴの一部が剥がれてしまったとのことで、
その再貼り付けのご相談。
まず素晴らしいのはご依頼主。
この剥がれたロゴよくぞなくさずにお持込下さいました。
接着剤をどうしようか悩みましたが、
エポキシ系の接着剤の粘度を調整し、
それを爪楊枝でうっすら塗布し対応しました。
最後にヘッドトップ前面に保護塗装をし、作業完了です。
と、さらっと書いてみましたが、
難しかった・・・・・。
こちらはSuhrの大人気モデルModern。
ハイエンドギターらしい作りの一品で、
硬いステンレスフレットと、ハイパワーピックアップがもたらす、
とにかく元気の良いサウンドが特徴です。
ところがご依頼主にとっては、ちょっと賑やか過ぎるギターだそうで、
ご相談の結果、ピックアップ交換で対応させていただきました。
こういったハイエンドギター各社、
皆配線の取り回し方に独特なスタイルがあって、
中を覗くのがいつも楽しみです。
ピックアップ交換の様に、配線の一部を変更させていただく場合には、
なるべくメーカーのスタイルに則った配線取り回しを心掛けています。
(雑な作業の真似はしませんが・・・・)
ちょっと見にくいですが、
今回で言えば、赤と白でツイストしているあたりが、
私が手掛けた部分。
うん。自己満足。
後日ご返却後、ご依頼主から大満足とのお電話も頂戴しまして、
気持ちの良いお仕事でした。
(M様、もう1本は今しばらくお待ちください・・・)
こちらはヘッドがなんとも個性的なコンポーネント系ギターの草分け、
James TylerのClassic。
こちらは先ほどとは逆で、
Suhr製のピックアップに交換です。
こちらもまたまたカッコいい取り回しが出来たんですが、
痛恨の写真撮り忘れ・・・。
S様、是非機会があれば見てやって下さい・・・。
ナットも大分いたんでおりましたので、
Black TUSQナットで新調し、セットアップしてご返却となりました。
(S様、もう2本は・・・しばらくお待ちください)
これは私も初めて見ました。
Penza Guitarsのジャズベースです。
上でご紹介したSuhrの代表、John Suhrがもともと在籍していたメーカーですね。
この個体、年代的にはMas日野さんがPenzaにいた時代の物だそうです。
ハイエンドギター界の重鎮の名前が続々と出てくる恐ろしい楽器ですが、
配線部分はその後大きくカスタマイズされておりました。
ご依頼主はそれがあまり気に入ってない様子でしたので、
私がパーツ交換含め、全てをリワイヤリングさせていただきました。
ジャズベースの配線はシンプルで奥深く、
いつも取り回しに悩みます。
今回は2トーン仕様ということもあり、
新鮮に作業させていただきました。
このベース、
外見はトラディショナルなジャズベースですが、
そのサウンドは似て非なるもの。
いろいろな理由がありそうで、とても勉強になりました。
私も実物は初めて拝見しました。
最後にご紹介するのは、アメリカのVinettoという工房さんのギター。
もともとはFender CSのマスタービルダーさんだった、という方の作品です。
いわゆる「元マスタービルダーもの」ですが、
個人的には過去最大の衝撃。
これは良いギターだなぁ・・・・。
一見、テレキャスターをベースとしたレリックギターですが、
木工、レリック塗装全てのクオリティがとても高く、
厚みのあるネックや、ローラーピックアップを含むその全てが
楽器としてしっかりとまとまっています。
ただ流行りを追っかけたコンポーネントギターとは1レベル違う、
しっかりとしたコンセプトを持ったギターでした。
大変勉強になりました。
肝心のご依頼内容はこれまた珍しく、
話題のHATAノブを買って取り付けたんだけど、
偏心が凄くて綺麗に回らないので、
なんとかならないか、というもの。
元のポットに問題がありましたのでそれらを新調し、
HATAノブを美しく取り付け。
弦溝の摩耗で全体のサウンドにもまとまりが無くなっていましたので、
ナットも交換させていただき、
セットアップ後ご返却となりました。
ハイエンドギターに限りませんが、
このようにいろいろなギターを修理させていただくことで、
何よりも私自信大きく成長させていただいております。
これらのノウハウを生かせば、どれだけ良いギターが作れることか・・・・。
現時点では妄想止まりな部分も多いですが、
今後のY.O.S.ギター工房にご期待下さい!