無事納品が完了いたしました、
個人様オーダーのUnity Bass。
その全貌を
皆様もご覧ください。
楽器のアウトラインやヘッドレスシステムは
当工房のUnity Bassをそのまま踏襲。
そこに、プレシジョンベース的なピックアップレイアウトと、
ご依頼主ご希望の新規デザインピックガードが追加され、
シンプルながらも個性的なオンリーワンベースが完成しました。
ホワイトアッシュの木目が重厚なボディは、
透明感のあるイエローで着色。
ブラックに統一されたハードウェアとの対比がとてもカッコいいです。
このベースのさらなる高級感に一役買っているのは、
一際爽やかに見えるメイプル指板ネック。
メイプル高級材の代名詞、バーズアイメイプルを贅沢に使っています。
指板を対角に横切るポジションマークレイアウトも独特ですね。
前回もご紹介した通り、
ネックはハードメイプルの5ピース。
サーモウッドとプレーン材を交互に張り合わせ、
ネックの剛性だけでなく、
外見にもアクセントを加えています。
ネックとボディは4点止めのボルトオンジョイント。
美しく削りだされたジョイントブッシュは、
Smoggy Overdriveの筐体等を手掛ける、
畑精密工業さんのHATAブランド新製品を早速採用してみました。
細部の細かい加工もご覧ください。
ピックアップの位置自体は、
オリジナルプレシジョンベースと同じなのですが、
24フレットあるこのベースは、
どうしてもネックとピックアップの距離が近くなります。
そこで24フレット以降を丁寧にスキャロップ加工することで、
ピッキングのクリアランスを少しでも増やす工夫をしています。
スラップ時の指抜け性(プレべでそれをするかどうかは置いといて)も向上します。
そのスキャロップ部分には、
ネックの反り調整を用意にする、
スポークホイールを取り付けました。
次はご依頼主たってのご希望。
こちらもHATAブランドの
ローレットストレートノブ。
一目瞭然ですが、
ボディに対して斜めに取りついています。
プレイヤー側に向けて約10°傾けてみました。
私もこのような加工初めてやってみましたが、
組み上げてびっくり。
操作しやすい!
何せ他に例の無い加工ですから、
どの程度傾けたら良いのか、
どう加工するか、
そしてどうすればカッコ悪くならないか、
いろいろシミュレーションを重ね実現しました。
百聞は一見にしかず、
やってみて良かったです。
その他、
さらなる詳細や使用パーツ等は
公開したてのUnity Bass #002ページでご紹介しています。
併せてご覧ください。
そもそも元のUnity Bassは、
2つのピックアップとアクティブサーキットを前提とした設計でした。
それを今回はお客様のご希望により
1ピックアップ、1Vol.1Toneのシンプルなパッシブコントロールで仕上げることで、
私自信もUnity Bassが持つ本来のサウンドを初めて楽しむことが出来ました。
プレべらしいパッシブ然とした懐かしいサウンド。
でもヘッドレスらしい、レスポンスの良い音。
ベースという楽器とヘッドレスシステムの相性の良さを
再認識させてくれた、
そんな作品となりました。
E様、
ありがとうございました!