とてもとてもうれしいことに、

Smoggy Overdrive、

大変ご好評いただいているようです。

 

どうやら先週東京に送った分は

ほとんどのお店で売り切れの様子。

どんな方が買って下さったのか、

もしこれをご覧のユーザー様がいらっしゃいましたら、

是非ご感想等お寄せ下さい。

もちろん私は、

「オーバードライブ」というエフェクターが大好きです。

これまでどれだけの数のオーバードライブを使ってきたでしょうか。

 

今日のブログはそんな中から

私にとって思い出深いオーバードライブペダルを

感想を交えながらご紹介。 

もちろんこれらの経験が、

Smoggyの開発につながったことは言うまでもありません。

 

 

【BOSS OD-1 Over Drive】

言わずもがな、元祖オーバードライブ。

完動品は高くて手が出なかったので、

ジャンクを入手し直して使ってました。

コントロールがボリュームとゲインしか付いてませんが、

そのローファイなサウンドは逆に新鮮。

音作りの幅の狭さが難点。

 

【BOSS BD-2 Blues Driver】

長いこと愛用してました。

OD-1やSD-1より高音域が奇麗で大好きです。

ゲイン幅の広さも魅力的。

弱点は、低音のしまりの無さ、

どのギター使っても同じ音が出るところでしょうか。

回路図を見ると、

開発した方のとんでもない努力の跡が垣間見られ、

敬服いたします。

 

【Maxon OD-820】

名作の多いマクソンですが、私はその中でこれがお気に入り。

大きい筐体のくせに、謙虚な渋いサウンド。

全然歪まない。クランチ専用機みたいな感じ。

セッティングがハマると、まぁとんでもなく良い音。

弱点は全然助けてくれないこと。

へたくそが弾くと、へたくそな音がする。

そして何故か、

3ノブしかないのに音作りが難しいこと。

 

【Klon Centaur】

なんだか最近は値段がおかしいことになっているこの子。

私は銀色筐体の絵無しを弾いたことがあります。

そのあまりのキラキラした音に衝撃を覚えました。

とにかく抜けまくる。

ブースターとして使うプロが多いのもうなずけます。

弱点は抜け過ぎ。

弾いてて恥ずかしい・・・・。

EMGのSAピックアップとか、

VOXのAC30を弾いているときと同じ感覚です。

単独の歪みの音もあんまり好きじゃありませんでした。

上のMaxonもそうなんだけど、

内部昇圧系はやっぱり弾きにくい。

確かにとてもクリアな音になるんだけど、

コンプ感が皆無で困っちゃう。

 

【Paul Cochrane Timmy】

市販製品の中で個人的なベストギア。

癖の無いすげぇ良い音。

ギターの個性も、アンプの個性も殺さない。

出会って以来、

これまでの苦労はなんだったの？って感じで

所持するエフェクターの数が激減しました。

ただ長く使っていると、

その無個性な部分がちょっと物足りない。

低音のしまりが足りない。

2バンドEQがどちらも絶妙においしくない等、

使い込んだゆえの贅沢な悩みが。

 

 

 

こうして見えてきた

私の理想のオーバードライブ像。

まとめてみると

• 操作が簡単なこと
• ギターの個性が生きること
• ブースターとして魅力的なこと
• クランチも魅力的なこと
• 歪んでも魅力的なこと
• 丁度良いコンプ感
• モダン過ぎずローファイ過ぎない音
• ワイドレンジで華やかな高音域
• スカっとした低音域
• 見た目がカッコいいこと

これを踏まえて、

もう一度こちらをごらんください！

私は天才でもなんでもありませんので、

無から新しいものを生み出すことは出来ません。

 

このSmoggy Overdriveが出来たのも、

数多くの素晴らしいオーバードライブとの出会いがあり、

でもそれらすべてに少しずつ不満な部分があり、

それらを基準にコツコツと組み上げてきた結果です。

開発に着手してからこの形になるまで4年程かかったでしょうか。

もちろん多くの方からのご意見も伺いながら、

最終的には自分の耳を信じてチューンナップしました。

実際出来上がった回路は、

いわゆるオーバードライブの定番パターンとは

大分異なる構成になりました。

 

ギターもそうですが、

私のものづくりの動機として一番大事なのは、

自分が欲しいこと。

 

やっぱりそれが一番頑張れます。

 

でも残念ながら、

この開発スタイルでは、

沢山のモデルをリリースするのは無理ですね・・・。