開業以来一貫して、
「出来るだけ自分でやる」をモットーにしてきた私ですが、
今回のオーダー内容に1つ、
どう考えても私の専門外なものがありまして、
凄腕職人のお力を借りた次第でございますのよ。
そのお相手は、
埼玉県加須市でオーダーメイドによるアクセサリーを製作している
G-IRON SILVERWORKSのBOB 成川氏。
その強面とは裏腹に、
センス溢れまくる繊細な作品が超魅力的です。
是非G-IRONウェブサイトもご覧ください。
私にとってもうれしい
コラボレーションヘッド作業の様子をご覧ください。
塗装が終わった綺麗なヘッド。
普通であればペグの取付に向かうところですが、
何を血迷ったのか私、
その一部を掘りました。
ヘッドの突板も貫通し、
マホガニーが見えています。
ここでG-IRON BOB成川氏の作品の出番。
今回は、
ご依頼主たってのご希望で、
ヘッドトップにオリジナルの金属プレートを取り付けることに。
いろいろな方法を考えましたが、
この作品には中途半端なものは似合いません。
そこで、普段はシルバーアクセサリーを中心に製作するBOB成川氏に
デザインからお願いしました。
こちらからはそれこそ、
ざっくりとした寸法とイメージをお伝えしただけで、
ササッとこのデザインが上がってきて驚愕。
ご依頼主のイニシャルをモチーフにしたデザインになりました。
(プレートの一部にはご依頼主の氏名が入っている為、画像処理しています)
プレートと言っても、
天面は少し丸みが付いていて、
かなりの立体感が有ります。
全体のサイズ感が伝わりにくいかもしれませんが、
長い方向で4cmほどしかありません。
つまり小さい文字は2mm以下・・・。
その技術の高さはもはや意味不明です。
というわけで、
素晴らしいプレートが届きましたので、
大きなプレッシャーを感じながら
ここからは再び私の仕事。
プレートの透かし部分に合わせて、
PVCの2色の板を小さくカット。
パズルのようにして掘り込みにはめ込みます。
その上からプレートを取り付けると・・・・・
おーまいがー!
もう私、
そのカッコよさに一人で興奮。
すぐにご依頼主に写メ。
BOB氏にも写メ。
お二方とも喜んで下さってよかったです。
そんなカッコいいプレートばかりに目が行きがちですが、
私の仕事にもご注目。
ヘッドにペグが埋まっているのが見えますでしょうか。
本来ペグは、それぞれのモデルごとに、
適切な厚みが決まっています。
今回は、主にご依頼主の希望するサウンド面を考慮し、
出来るだけヘッドに厚みを設ける為に、
ペグ部だけ落とし込み加工を施しました。
厚めのヘッド、重厚なペグ、
メイプルの突板接着、ネック付け根のボリュート、
そして今回のシルバープレート。
これらすべて、
デザイン面だけでなく、
ヘッドの質量や剛性を高め、
「ヘッド鳴り」を減らす目的があります。
そうすることで、
サウンドはタイトな方向へシフトし、
デッドポイントを大幅に減少させることが出来ます。
ヘッドの構造や質量によるサウンドへの影響はとても大きく、
それを操ることが出来なければ、
ギターの設計はままなりません。
今回は、会心の仕事な予感。
その素晴らしい全貌も
今週末には公開出来るでしょうか。