いつもそうなんですが、
子供からもらう風邪はたちが悪い。
1日で驚異的な回復を見せる3歳児とは違い、
30台後半に突入している私は長引きそうです。
ゴホッゴホッ。
そんななか先日、
あまりない光景の修理品をお預かりしました。
こちらはGibsonの名機、ES-335TD。
ご覧の通りメイプルの杢も素晴らしい綺麗なギターです。
それほど古いものではありません。
ところが金属パーツをご覧ください。
通常ではありえない錆びが出ています。
今回は、楽器全体の金属部分のオーバーホールの御依頼でした。
詳細な写真は撮り忘れましたが、
画像中央の様に、全パーツを外し、
1週間ほど335・・・じゃなくて556(防錆潤滑油)に付け込み、
その後浮いてきた錆を丹念にブラシで取り除きます。
ネジ類などは正直交換した方が早いのですが、
こういったものはオリジナルパーツを出来るだけ維持することも重要で、
1本1本錆びとりしました。
結果が画像右側です。
それにしても、
通常使用ではまず起こらない強烈な錆び。
その原因は、
このギターにまつわるご依頼主の大失恋が絡んでいるらしく・・・・
そっとしておきましょう。
(いつか2chでスレ立ててください)
さぁ、次もギブソンタイプのブリッジ。
今度は交換の御依頼です。
ギブソンタイプのギターに頻繁に使用される
チューンオーマチックブリッジは、サドルの痛み等も多く、
交換の御依頼が多いブリッジです。
今回は元の一般的なブリッジから、
ご依頼主お持込の、超個性派に載せ替えました。
何よりも強烈なその存在感。
このブリッジを作っているのはBABICZというメーカー。
ん?なんて読むのかって?
「バビッツ」です「バビッツ」。
思わず声に出したくなる響きです。
さぁ皆さんもご一緒に
「ばびーっつ!」
すっきりしましたね。
このバビッツ、
見た目のイロモノ感とはうらはらに、
とても優れた設計。
私もこのレスポール用は初めて使いましたが、
細部の作りに関心してしまいました。
写真では分かりづらいですが、
T.O.M.タイプのブリッジでありながら、
ボディトップとブリッジ本体は密着しています。
各弦の弦高、及びオクターブは6角レンチでストレスなく調整可能でした。
むー素晴らしい。
BABICZは他にも、
ストラトタイプやテレキャスタータイプ、ベースブリッジもリリースしています。
ブリッジ交換をお考えの方は選択肢に加えてみても面白いと思います。
製作中のセットネックギターは
塗装前の仕上げに入っています。
ネック、ボディ共に、
カーリーメイプルトップにマホガニーバック。
メイプルは全て、同一の木材から切り出しています。
特にご依頼主のご指定ではありませんが、
このギターの木材は全て、
柾目材(木目がまっすぐになるよう木取りされた材)を使用させていただきました。
個性的な派手さはありませんが、
木材としては優等生。
まさにご依頼主のイメージにぴったりです。
ボディの重さも
私の想定と40g差程度に収まりました。
これは良いギターになりそうです。