珍しくちょっと真面目な話。
このブログを書きつづけて1年、
ご覧いただいている方々から、
「いつも見てます!」と
ありがたいお言葉をかけていただくことも増えてまいりました。
このブログを書きつづけることで、
私の仕事を皆様に知っていただけると共に、
自分自身も常に、
誰に見られてもはずかしく無い仕事をしていくための、
良い意味でのプレッシャーにもなっています。
エレキギターは私が発明したものではありませんので、
その製作過程から内部構造に至るまで、
秘密なんて何もありません。
ブログでは詳しく説明していないことも、
ご質問いただければなんでも答えます。
誇るべきところはしっかりとアピールし、
自分の出身やルーツは隠さず公開し、
オマージュしているものは元ネタを明かし、
他の職人さんや企業様の力を借りた時は、
かならずご協力いただいた方をご紹介させていただきます。
ギター業界内では今でも、
一般の方が判らないのを良いことに、
自社製で無いものを自社製と言ってみたり、
メイドインジャパンでないものにメイドインジャパンと書いてみたり、
何の効果もないのに「音が良くなる」と言っているものを
少なからず目にします。
別に、どこの会社やブランドがどうこうと言いたいわけではありません。
ただそんな世の中だからこそ、
お客様から本当に信頼を得るためには、
全てを明らかにすることが重要と、
私は考えています。
さぁ、そんなわけで、
今日も包み隠さず参りましょう。
カーブトップのセットネックギターは、
前回ご紹介した花形加工「カーブトップ」が完了し、
細かいキャビティ類の加工に移りました。
ハンドメイドならではの小回りを生かして、
細かいコダワリのオンパレードです。
カーブトップ面へのコントロールパーツは、
全て落とし込み加工をしています。
殆どが、ノミとか彫刻刀での手作業です。
PRSのギターにも同様の加工がされていますが、
是非見比べてみてください。
こういった作業、アメリカンには負ける気がしません。
ピックアップは、HSHレイアウト。
全てダイレクトマウントです。
フロントとリアはお客様お持込のDimazioピックアップ。
その個性的な形にピッタリ合わせた、
工房特製のテンプレートを使用しています。
遠目でもDimazioだと分かるこの感じ、最高ですね。
コントロールキャビティは比較的広範囲で、
背面のパネルも大き目です。
それでも、ぴったり合わせてこそのハンドメイドですね。
最後は、ブリッジ取付用のネジ穴加工。
6点止めのシンクロナイズドトレモロタイプです。
この作業、いつも胃が痛くなります。
等間隔、且つ同一線上に6個の穴を開けます。
しかも穴の中心間は、11.2mmという、
職人苛めはなはだしい寸法です。
さらに!
いくら正確に罫書きをしても、目打ちをしても、
相手は木。
木目に流されて穴がずれること、日常茶飯事なんです。
こんな作業ですから、
まったく問題なく作業が完了することのほうが少なく、
酷い時には、穴開け後、即穴埋めリペアをする羽目に・・・。
それが今回は、
ご覧の通り、パーフェクト。
これだからメイプルトップは最高です。
(もちろん最低は、スワンプアッシュ様ですよ)