気が付いたら6月も残り僅かですね。
来週は水面下で進めている新しいプロジェクトの打ち合わせに
久しぶりの東京出張。
もうすでにドキドキするくらい、スゴイものが誕生しそうな予感です。
日帰りですが、木材収集から久しぶりの母校訪問まで、
予定はびっしり。楽しみです。
さぁ、すでに30本以上の修理を手掛けさせていただいた6月でしたが、
今日はその中で、アコギのブリッジ剥がれ修理をご紹介。
写真では分かりにくいですが、
6弦側ブリッジ後方が剥がれてしまう症状。
アコギでは良くあるトラブルですが、
元々の接着不良や、トップの変形等が主な原因です。
今回はブリッジの1/4程が剥がれていた状態でしたが、
あまりよろしくないことに、
その隙間に汎用の接着剤がタップリ充填されてしまっていました。
そのままで再接着は無理ですので、
一旦全て剥がすことを選択。
ギターに使う接着剤は熱で軟化するものが多いため、
私は画像のようなラバーヒーターを使い、
じっくりとブリッジを温め、
接着剤が柔らかくなったところで、右画像の様にヘラを入れていきます。
約40分程かけて、なかなか綺麗に剥がすことに成功しました。
その後、古い接着剤を除去し、接着面を整えたのが写真中央。
これはただ接着剤を削れば良い訳ではなく、
お互いが密着するよう成型。
この個体は、ブリッジ下にわずかながら塗膜の残りがあり、
その上にブリッジ端が乗っかって接着されていた様子。
そこの強度が不足し、剥がれるきっかけになっていたようです。
そのあたりももちろん改善させていただいています。
その後接着して、しっかりと乾燥させます。
弦を張り、強度に問題が無いか確認。
ブリッジ表面も綺麗に磨き直し、オイルで仕上げています。
このギターはBurnyのBJ-100というモデル。
記憶が確かならば、
現在はHeadwayブランド等を手掛ける、
百瀬氏が手がけていたギターのはずです。
オール単板のいわゆるギブソン系アコギですが、
そのサウンドは圧倒的で、
良い意味でギブソン感が全くありません。
すさまじい音圧にしばし感動した次第でした。
やはり日本の職人はすごい。
今回はブリッジだけでなく、
フレットのすり合わせやナット交換、
弦高調整まで含んだ全体のセットアップもさせていただきました。
この生まれ変わりっぷりに、ご依頼主もきっと喜んで下さるはず。
そんな中今日は思いがけず、
うれしい再会がありました。
今年2月頭に納品した
テレキャスターシンラインタイプのオーダーギター、
メンテナンスの為にご来店いただきました。
この楽器にとって初梅雨ですが、
まったく問題のない様子で一安心。
弦を1ゲージ太くし、
それに合わせ再セットアップを行いました。
他の楽器達も元気でしょうか。
来週は1Pコアギターと再会できるかもしれません。