まずは、
エフェクターワークショップVol.2、
7/5に開催決定いたしました。
既に申込みページアップしてますので、
詳細はそちらをご覧ください。
また後日ブログでも紹介ますが、
今回製作する[Green Tea Overdrive]、
なかなか自慢の完成度です。
Y.O.S.Mod、すごいです。
お楽しみに!
さぁ、
なんだかんだで今週もほぼリペアにかかりっきり。
先週末から昨日にかけて、
15本近くも修理品をお預かりしました。
ただただ一生懸命対応させていただくだけでございます。
今日はこのところお預かりした修理品の
印象的なものをご紹介。
まずはこちら、K Yairiのアコギ。
ご覧の通り、見事なまでにブリッジが剥がれてしまっています。
ブリッジ剥がれの原因の多くは、
弦の張力によるトップ面の変形がきっかけとなりますが、
それらはそもそもブリッジの接着自体に問題があるものが多いです。
今回も、剥がれたブリッジを見てみると、
主に両端は、大分接着剤の層が厚く、
そもそも木材同士が密着していなかったことが伺えます。
ご覧の通り、ブリッジ裏、ボディ側ともに、しっかりと古い接着剤を除去。
ブリッジ裏がボディに密着するよう精度を出し、
無事接着となりました。
数日後弦を張り、さらに数日観察。
問題が無いようですので、修理完了です。
このように精度を出して接着すれば、
再発はほぼありません。
たまに、ブリッジが剥がれてきた隙間に、
汎用の接着剤や瞬間接着剤が流し込まれているものを見かけますが、
修理としてはNGです。
一度剥がれが起きてしまったものは、
早いうちにしっかりと対処しておきましょう。
続いては、珍しい「手触り」のカスタマイズ。
サラサラした手触りの「サテンネック」。
汗ばみやすいこれからの季節は、必須の方も多いようですね。
このギターはもともとつやつやのグロスネックですが、
ご覧の通り、グリップ部分のみサテン処理を行いました。
サテン処理はいろいろな方法がありますが
私が数年前から取り入れている方法は、とてもシンプルで簡単。
今では100円均一でも売られている、あるものを使っています。
塗料も水もヤスリも使いませ~ん。
フフフ。
最後は、とても効果の大きいノイズ対策。
以前のブログで、ストラトキャビティのノイズ対策をご紹介しました。
今回は、ノイズ対策としてはそれ以上の効果が期待できる、
P.U.自体のシールディング加工をしました。
ご覧の通り、P.U.自体を銅箔テープで囲み、
きちんと処理(詳細は秘密!)をすれば、
P.U.のコイルに混入するノイズを大幅に減らすことが出来ます。
この加工は、P.U.という繊細なパーツに手を加えますので、
とにかく慎重な作業が求められます。
その処理方法も、
最終的にP.U.カバー内に収まるよう進めなければなりません。
分かりづらいですが、
ポールピースもアース電位になるよう工夫しています。
金属ですからノイズを拾うんです。
ここまでお読みいただいて、
「じゃあシングル全部そうすればいいじゃん」
と思われる方も多いと思います。
ところがこの加工、1つ大きな落とし穴がありまして、
ズバリP.Uの高域特製が
少し悪くなります。
そう書いてしまうと、
とんでもなくデメリットな気がするかもしれませんが、
それが良いか悪いかは、人それぞれですね。
高域が寂しくなったと感じる方もいれば、
角が取れて耳触りが良く鳴ったと感じる方もいらっしゃいます。
今回のお客様にも、
事前にその点はお伝えしましたが、
ノイズを減らす方を優先されました。
このあたりも、ギタリストそれぞれの演奏環境により
重きをおく方向が変わってきますね。
実は同日、
写真にもあるように、
ジャズベースのP.U.にも同様の作業をしました。
こちらもまた効果が大きいP.U.です。
このP.U.、ジャズベースではなく、
ジャガーベースに搭載されているもの。
ジャガーベース・・・・・
ノイズ対策作業の観点からは、
こんなに大変な楽器も、他には無いかもしれません。
このキャビティ数に加え、
アクティブサーキット付き。
こいつのノイズを十分減らせたら、
その方はシールディングマスターと呼ばれることでしょう。
あ、明日から3日間、
お休みいただきます。