当工房も開業から1年。
それまで私にとっての楽器作りは
その多くが自分の為でありましたので、
こうやって1年、人様の為にギターを作らせていただくのは、
いまだに不思議な感覚です。
未だ多くの方々にお待ちいただいておりますが、
一つ一つ丁寧に進めて参りますので、
今しばらくお待ちください。
そして次の作品も、
すっかりギターらしくなってきましたよ。
1Pカーリーコアが美しいカスタムギターも、
木工加工は全て完了し、
塗装入りに向けて研磨作業を進めています。
あらためてこの分厚いドロップトップを見ると、
自分でも「よく曲げたな・・・」と思います。
このギター、
ただ木材が贅沢なだけではなく、
カスタムオーダーならではの
細部に至るコダワリが満載です。
キャビティの裏蓋にも
トップ材のコアの余りを使用させていただきました。
お客様自身にお持込みいただいた貴重なコアですので、
余すことなく使っていきます。
キャビティに対してきつ過ぎず、ゆる過ぎず、
コンマ数ミリの均等な隙間でおさまりました。
イメージ以上に高い精度で加工出来て、
テンションあがるあがる。
ネックとのジョイント付近や
カッタウェイ内側にも、
大胆な3D加工を施しています。
ハイポジションの演奏性を高める、
エルゴノミックなカットです。
こういった加工は機械化できるものでは無く、
切れ味抜群に仕立てた刃物と、
手先の感覚で削り出していきます。
こういった木工作業だけでなく、
今回は金属加工まで行っています。
ボディのトップや側面に、
見慣れぬ穴があけられています。
何とこのギター、
Rolandのギターシンセ用P.U.
GKピックアップまでプリインストールします。
後付のユニットではなく、
配線や回路部分はボディ内部に納めますので、
通常のギターには無い加工を施しています。
GKピックアップの出力は
通常のモノラルジャックではなく、
付属の13Pコネクターを用います。
そのコネクター用のパネルも専用のものが付属しているのですが、
それがあまりにも・・ダサ・・・・
いや、このギターの雰囲気には合わないため、
通常のモノラルジャックと共用のジャックプレートを、
真鍮の板から削り出し、磨き上けて製作しました。
このギターにふさわしいプレートになったでしょうか。
来週には塗装です。
楽しみすぎますね。