ブログ始まって以来の小出し企画も
今日で最終回。
ハードレリックストラトの全貌を
ご覧ください。
レリック加工というと
ボディばかりに目が行きがちですが、
他のパーツがピカピカではいけません。
特にストラトは、
ピックガードの面積も大きいので、
そちらの印象も大事です。
こんな感じになりました!
こちらは、細かい擦り傷や素材自体の変色、
手の油やヤニによる汚れなどを再現していきます。
プラスチックに塗装をしても、
擦ると剥がれてしまいますので、
基本的には染色しています。
ご覧の通り、均一に染色する訳ではなく、
場所場所でその濃さを変えると、
とっても自然です。
もちろん、ネジもレリック加工。
こちらは薬剤を使って、本当に錆びさせました。
今回はオーナー様のご依頼もあり、
配線材を総交換。
楽器の雰囲気に合わせ、
BELDEN社の1960年代デッドストックものに
交換しました。
コタツの電源コードみたいな外見の
素敵な布巻き線で、私のお気に入りワイヤーです。
さぁ、ネックに行きましょう。
今回はハードレリックですが、
ヘッドにはメーカーロゴやシリアルNo.の記載があるため、
塗装を剥がすことはしませんでした。
グリップは一旦剥がした後、
汚~~く染色して、
湿度から守るために極薄塗装からの艶調整。
ヘッド部はきつめの焼け色をオーバーラッカーし、
こちらも艶調整しました。
良い感じですね。
残るはブリッジやペグのハードパーツ類なのですが、
今回はご依頼主の要望で、
一切の処理をしませんでした。
こちらはあくまでも機能面を最優先ということですね。
そもそもニッケルメッキのパーツが多いモデルでしたので、
すぐに違和感が無いくすみが出てくると思います。
よって、全てのレリック加工は完了。
全て組み直し、セットアップ。
その全貌をご覧ください!
汚っ!(@^▽^@)/
スゴイ貫禄。
いったいどういう過酷な環境で使われたら、
ここまでになるのでしょうか・・・。
お母ちゃんに見つかったら
「あんた、あのボロボロのギター、汚いから捨てといたわよ」
ってことになるので気を付けましょう。
すでにご存じの方も多いかもしれません。
このレリックストラト、
超人気ギタリストのモデルを再現したもの。
ご登場いただきましょう(いいのか?)
この方でございます!
当代No1人気と言っても過言ではない超セレブミュージシャン。
今回はそのJohn MayerのBlack 1と呼ばれているストラトを
再現してみました。
そもそも本人が使っているこのギターもレリックされたもので、
なんとJohn Mayer本人が作業したというお話です。
この人、歌手としても作曲家としても一流ですが、
私はやっぱりギターが好き。
ストラトキャスターの魅力全てを聞かせてくれます。
こんな風に弾けたらさぞ楽しかろうに・・・・
丁度John Mayerご本人が
このギターについて語っている映像が有ります。
せっかくですのでご紹介。
と言うわけで、
長々とお伝えしてまいりました
レリックストラト企画、いかがでしたでしょうか?
ご依頼主も、大変喜んでくださいました。
喜びのあまり手は震え、
この真冬に額には汗びっしょり^^;
それを見て私も大変感激した次第です。
レリック加工って
なんとなく適当に傷つけて・・・
みたいなイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
私はこのように、とても手間暇かけて作業します。
綺麗に仕上げる方が、よっぽど早いです。
ご覧になっていただければ、
レリックへのイメージもきっと変わると思います。
レリック加工を施した工房サンプルギターなんかも
作ろうと思っていますので、
完成の暁には、
その素敵なタイムマシーンギターを
是非体験してみてください。