ブログページの構成を
少し変更しました。
過去のものも閲覧しやすくなっていますので、
気になるものありましたら是非ご覧ください。
前回に引き続き、
今日もリフィニッシュ作業の続きをご紹介。
すでに大分ばれてましたが、
今回のリフィニッシュは単なる再塗装ではなく、
レリック加工という作業を行います。
使いこまれたビンテージギターのような風合いを
人工的に表現していきます。
レリック加工の程度は様々ですが、
今回のご依頼はその中でも、
最大級のハードレリック。
こんな感じになりました。
使いこまれ、
塗料が所々剥げているギターをご覧になったことがある方も
多いと思いますが・・・・今回は逆!
残っている塗料の方が少ないです(゚∇゚ ;)
剥がしたい部分をまたまた削り取って行き、
残った塗膜の質感やらいろいろ整え、
剥がしれた木の部分の色味も整えます。
このような表現をするためには、
元のポリ塗装では難しいため、
一旦全てポリ塗料を除去し、
ラッカーで極薄再塗装を施してからの作業を選択しました。
木を汚く染色したのも、
剥がした部分が綺麗すぎないようにするためです。
それにしても
朽ち果ててきましたね。
もちろん表も・・・・
うん、良い感じのボロボロです!
例の道具(工房の外に転がっていた物体)も
ボディの上を転がったり、
逆にボディをそのうえで転がしたり、
それはそれは大活躍でした^^;
最近はレリック加工するメーカーも増えていますが、
個人的に「上手い」と思えるものは少ないです。
ただただ薄い塗装で艶を消し、
傷をつけ、
剥がしているだけのものが多いです。
それでは貧相なギターにしか見えません。
私がレリック加工をする上で大切にしているのは、
1つ1つの傷や剥がれの経緯です。
いかに傷が「自然」で
人工感が漂わないか、
これがとても重要です。
その辺りを場所場所で考え
表現していきます。
左側はボディのお尻部分。
打痕が多く、塗料のチップを多くしています。
右側は手がこすれて剥がれた部分の再現です。
このようにダメージの表現を場所に合わせて変えて、
リアルな表現を目指していきます。
「塗装を剥がす」となると、
紙やすりを使った作業を想像される方も多いかもしれませんが、
私は殆ど使いません。
紙やすりの傷や剥がれ具合はどうしても、
「紙やすりで剥がしました!」って感じになっちゃいます。
このようにして、
ボディは大体イメージ通りになりましたので、
この後は他のパーツのレリック加工をしていきます。
続きは次回。
お楽しみに!