新年営業開始から6日、
工房はリペア業務を中心に稼働中です。
このところはフレット周りのご依頼が多く、
毎日削りに削っています。
当たり前ですが、
フレットをばっちり仕上げた楽器は、
気持ちがいいです。
リペアの結果、
ピッチが整った綺麗な和音を聴くと、
「いい仕事した~」といつも思います。
リペアもご紹介したいものが溜まってきましたので、
またリペアのコンテンツも整理整頓しようと思っていますが、
今日はその中で、
アコギ界の超有名モデル2本のリペアをご紹介。
まずはこちら、
アコギ界のスーパースター、
Martin D-45です。
誰もがひれ伏すオーラです。
今回のご依頼は、ヘッドバインディングの剥がれのリペア。
接着だけでなく、周囲の塗装も修正します。
元々剥がれてしまった部分に、
市販の接着剤が流し込まれていたので、
それを丁寧に除去し接着。
剥がれ周囲の塗装は割れも目立ちましたので、
一旦周辺の塗装を剥がし、
色合わせ込みで対応しています。
そのサウンドもさることながら、
私のこのギターの注目は
やはりここ。
バック材、
インディアンローズ単板のグレード、
とんでもないです。
この幅で超絶柾目ブックマッチ。
贅沢ですね。
さすが45、良い目の保養になりました。
続いても45です。
こちらはGibsonアコギを代表するJ-45。
弾き込まれ大迫力のサウンドですが、
フレットの摩耗が激しく、
今回はなんとステンレスフレットに変更します。
エレキはステンレスへの変更のご依頼も多いですが、
私もアコギにステンレスフレットは初めて。
さらに変形により浮きが目立ったピックガードも
新規作成、交換しました。
この作業は何と言っても、
元の粘着取りが一番大変。
Gibsonは塗料がラッカーですので、
溶剤などもちろん使えず、
ただ頑張るのみです。
フレットのエッジも、
Gibsonとは思えない程(失礼)美しく仕上げ、
弦を張り、完了。
これはすごい音です。
J-45迫力の低音に、
まるでMartinのような繊細な高音域が加わりました。
ピックで弾けば大迫力のロックサウンド。
指弾きも軽いタッチでポンッと音が出るので、
弾いていて楽しいモデルになりました。
これはおすすめ出来るリペア内容になりそうですね。
フレットが摩耗してくると、
演奏性が悪くなるのはもちろん、
押弦時にフレットの頂点に弦が当たりにくくなるため、
音程感がずれてきます。
ステンレスフレットは耐久性も抜群ですので、
フレット交換をお考えの際は
ステンレスフレットもご検討いただくと
良いと思います。