エスパルス、良かったですね。
締りのない優勝争い3チームに比べて、
降格争いのオレンジ2チーム、
素晴らしい気迫でした。
すっかり名将の仲間入りを果たした長谷川健太監督の活躍含め、
清水の皆様にとっては良い日だったのではないでしょうか。
明日は昇格プレイオフ決勝。
盛り上がりそうです。
さて、工房はリペアギターであふれかえり、
置き場所に困ってきました。
アコギが多く、
湿度管理に気を遣います。
そんな中今日は、
ビンテージギターのレストア作業をご紹介。
Gibson J-160Eです。
ギブソンのアコギと言えば、
J-45が断然有名ですが、
これはそのピックアップ付きバージョン。
P-90ピックアップが付いてます。
J-45もこのJ-160-Eも、
一般的な印象は「ラウンドショルダー」と呼ばれる
肩が丸いボディ形状ですが、
これは1時期生産されていた
スクウェアショルダー期の最初の頃のもののようです。
半世紀近く前の楽器ですね。
ご依頼主はこの楽器を最近譲り受けたらしいのですが、
余りに汚れがひどいので、
綺麗にしたい、とのことです。
古いものなので、
塗膜表面のくすみ、ラッカーの劣化によるものだと思ったのですが、
すこし吹いてみてビックリ。
これ全部、ヤニですか!w(゚o゚)w
古い楽器は塗膜がデリケートなため、
基本的には乾拭きが基本。
しつこい汚れの時にはやむを得ず、
弱めのクリーナー等を使用します。
強い薬剤で
ダメージを与えてしまっては大変ですからね。
それにしてもこの個体、
ヤニの量過去最高です。
ふき取りに使った布を写真にも撮ったのですが、
余りに汚い絵面で、お見せできません^^;
そうして拭きつづけること2時間弱・・・・
素晴らしい風格が蘇りました!
ラッカーの渋い艶はもちろん、
ヤニに埋もれていた
ウェザーチェック(塗料のクラック)がびっしり。
カッコいい!
これぞビンテージです。
ただ、これで終わっては
単なる掃除オジサン。
ここからリペアマンとして重要な
楽器としての修復に移ります。
ブレイシングにも2か所剥がれがありましたので、
数日かけてしっかりと接着。
J-160E特有の、「ラダーブレイシング」です。
接着作業時、
コントロールのアッセンブリが邪魔なので、
一旦取り外しました。
何と、ポットからジャックまで
オリジナルパーツそのまま。
40年以上前のポットに
ガリが無いなんてミラクルです。
コンデンサも
オリジナルのブラックビューティーコンデンサ!
その後、
ナットの交換、
フレットと指板のクリーニング、
ビンテージクルーソンペグのメンテナンスを行い、
作業は全て完了です。
その結果、
こんな感じになりました。
オーラがスゴイです。
ハカランダ指板もさりげなく素敵。
サウンドも、
J-160E特有の上品さの中に、
古い楽器ならでは、
ギターとは思えない複雑な倍音が混ざってます。
当工房に来るまでは
おそらく長きに渡り弾かれていなかったであろうギター。
こういったものを楽器として復活させるレストア作業も、
職人冥利に尽きる瞬間だったりします。