ネックの反りは万病のもと

娘を寝かしつけようと思ったら、

台風の低気圧にすっかり負けて、

多分娘より先に寝てしまった吉田です。


というわけで、

朝5時に目が覚めましたので、

早朝のブログ更新といきましょう。



このところ秋の空気にすっかり変わり、

のどや鼻の奥が

乾燥を感じる日も増えてきました。

かと思えば、

台風がすごい湿気を連れてきます。


そう、湿度の変化が大きいこの時期は

楽器にとっても過酷な環境。


ネックの反りに関するご相談を受けることも

多くなってきました。


まず結論から申し上げますと、

ほとんどのネックは反っています^^;


あれだけ細長く、弦に引っ張られ、

さらには湿度の変化が尋常ではないこのJAPANですから、

反らない訳は無いのです。


問題は、その反りによって

トラブルが出てしまっていないか、ですね。



ネックの反りによるトラブルの代表的な症状は

以下の通りです。


・ビリ付きや音詰まりの発生

ネックが反る、ということは、

弦から見ると、フレットの高低差が生まれているということ。

局所的にビビりや音詰まりが発生することがあります。

特に普段から弦高を低くセッティングされている場合は、

この症状が敏感に出ます。

「なんだか少し前よりビビりが多くなったな・・・」

と感じたら、ネックの反りを疑いましょう。


・演奏性の変化

ネックが反る、ということは、

ボディから見ると、ヘッド(ナット)の位置が変わる

ということです。

つまり、弦が貼られている位置が変化しますので、

それによって弦高に変化が出ます。

人間の感覚はとても敏感です。

「なんだか少し前より弾きにくくなったな・・・」

と感じたら、これまたネックの反りを疑いましょう。

ネックの状態の点検方法はいろいろありますが、

上写真のようにまっすぐな定規と比較すると、

より正確な判断が可能です。


目視で判断しようとされる方がいますが、

これは様々な要因で目の錯覚を起こすことも多く、

慣れていない方はお勧めしません。


ご存知の方が多いと思いますが、

ネックの中には「トラスロッド」が入っており、

それを調整することにより、

ネックの反りを矯正することが可能で、

ご自宅でも工具さえあれば、

簡単に作業することが出来ます。


ところが残念ながら、

いかにトラスロッドを調整したところで、

ネックは完全にまっすぐにはなりません。


トラスロッドは

ネック全体の反りの傾向は変えられますが、

ピンポイントの修正はできません。

木材は複雑に動きますので、

いかにトラスロッドで調整しても

部分的な反りは残ってしまいます。


つまりこのネックの反り調整で大切なのは

その楽器と演奏者にとって最適なネックの状態に調整すること

なんです。


反り調整をする時の私の頭の中は・・・

元の状態、

トラスロッドの利き具合、

その楽器のフレットの状態、

ナットの状態、

演奏者の好み、

演奏者の演奏スタイル、

演奏者の使用ポジション、

弦のゲージ、

今日の天気、

明日の天気、

季節

等等・・・・・


すっごい多くのことを考えています。


せっかく調整したネックが、

次の日にまたトラブルがでてしまってはいけませんので、

多少先まで見越した調整をする必要があります。

多くの経験が必要な作業なんですね。





この投稿をごらんになって、

皆さんも少し不安になったでしょうか?^^;


そんな皆様に朗報!

10/19(日)13:00~

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菊川は遠いけど、藤枝なら・・・

って方、

是非お気軽にご来店ください。

もちろん、ネックの反りだけではなく、

ギターに関する素朴な疑問等も大歓迎。


おまちしてま~す。



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静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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