昨日の台風18号は
工房のある静岡県菊川市もかすめて行きました。
私は保育園への登園を断念した娘のお守りもあり、
台風当日は自宅待機しておりましたので、
工房の様子は見てなかったのですが・・・・
結果、まるで何事もなかったかのような、
無被害っぷり。
工房の古民家っぷりをご覧になったことがある方は
にわかには信じられないかもしれませんが、
ほんとに全然大丈夫でした。
日本家屋強しです。
ご心配頂いた方々、
ありがとうございました。
さて、セミオーダーギター(サンバーストの方)は
組み上げ作業に入っています。
まずはネック。
塗装中、指板はマスキングテープで隠れっぱなしですので、
バフがけが完了し、テープをはがすと、
久しぶりのローズウッド様とのご対面です。
メイプルもサーモウッドを使用したモデルですので、
まるでローズウッドネックのような外観ですね。
でもやはりとても軽量で、
レスポンスの良さそうなネックです。
まずはフレット、指板周りの仕上げ作業を行います。
フレットは、すり合わせを行います。
しっかりと作ってきたネックであれば、
この段階のすり合わせ作業はそれほど手間な作業ではありません。
あくまでも、より良い状態に整える工程です。
一方、フレットや指板の角は
もうそのままでは怪我しちゃうほど角が立っていますので、
ここでしっかりと丸めておきます。
先日のブログでもご紹介しましたが、
1本1本、1か所1か所、丁寧に面取りを行います。
そうしたネックは、
指の腹に当たるフレットの感触が
とても気持ちのいいものに変わります。
ステンレスフレットを使ったモデルですので、
仕上げをきっちりしておけば、
相当メンテナンスフリーなフレット周りとなるはずです。
続いてボディ。
ボディも塗装が終わり、
まずはキャビティの処理を行います。
流通している多くの製品は、
ネックのキャビティ内にも塗料を乗せ、
この段階でそれを削って、
ネックとのマッチングを行います。
塗料は完全に除去されることはありませんので、
ネックはその上に乗ることになります。
当工房は、
木工段階でボディとネックのマッチング作業を終えていますので、
ネックのキャビティには塗料は乗せません。
ネックとボディはより密着し、
ネックの振動の伝達性は確実に高くなります。
その結果が良いか悪いかはわかりませんが、
そういったところを突き詰めて仕上げられるのが
ハンドメイドの良いところです。
配線関係のキャビティは
さらに見たことの無い景色かもしれません。
金属箔テープと導電塗料を用いて、
丁寧にノイズの対策を施します。
ノイズの少なさも
良い楽器の条件の1つですから、
手は抜けません。
ちなみにこのようなノイズを防ぐ加工は
シールディング加工と呼ばれますが、
完成している楽器でも追加工出来ますので、
ノイズにお悩みの方は
是非ご相談ください。
このように、
楽器を組み上げていく作業、
序盤は特に、地味な作業ばかりです。
綺麗な塗装に傷が入らないよう
最新の注意を払いながらの作業です。
こちらとしては、
早くパーツを付けて、弦を張って
完成形を見たいものですが、
はやる気持をぐっと抑えて、
一つ一つ丁寧に仕上げていきます。
でも早く音聞きたいなぁ。