台風が近づいていますね。
明日は営業開始が遅れそうです。
皆様もお気を付け下さい。
御嶽山噴火による悲劇もそうですが、
あらためて自然の力を思い知ります。
人間の力など到底及びません。
今日はそんな自然の一部である木材に、
色を付けちゃおうという、
よくよく考えると罰が当たりそうな?
そんな作業のご紹介です。
このモデル、
「色は青系で」と初めから決めていました。
「木目が透けて見える綺麗な青」を出すのはとても難しく、
製作家として様々な技術が問われるため、
工房の船出の1本として、
まずはクリアする必要があると考えました。
木本来の色は、黄色味が強いです。
そこに普通に青を重ねていくと、
どうしても緑味が強く出てきます。
色を濃くしていけばその緑味は消えていきますが、
今度はその分、木目が遠くなってしまいます。
つまり、しっかりと「青」に見えながら、
さらに今回のカーリーメイプルの木目も
ハッキリ見える。
そんな色が理想でした。
以前紹介した木材の染色も、
この青を出すための下準備です。
もちろん今回の本着色も、
青に加え、もう1色秘密のカラーを混ぜて
吹き付けています。
そうして完成したものは
こんな感じになりました。
バック面のダークブラウンと
ナチュラルバインディングとのコントラストが美しく、
光の当たり方で様々な表情を見せてくれます。
何よりも、
カーリーメイプルにシースルーブルーという
ある意味「ベタ」な組み合わせでありながら、
他メーカーではあまり見たことが無い「渋さ」まで
表現できたのではないかと思っています。
このあたりはオジサン色のギターばかり作ってきた
私の好みが出ているようです。
これからこんな色をご希望の方は
是非「オジサンブルー」とお伝えください。
自画自賛ですいませんが、
想像以上に上手く行きました。
ただこれも、
元の美しいカーリーメイプルあってのもの。
結局すごいのは、自然の力ですね。
現在はこのギター、クリアの乾燥に入っていますので、
完成はまだ先ですが、
これまでの私の作品とは異なるタイプだけに、
仕上がりがとても楽しみになってきました。