静岡に戻って半年が経ちました。
工房も開設から丁度5か月です。
おかげさまで忙しく過ごさせていただいていますが、
半年前まで東京で当たり前のように生活していたのが
すでに信じられません。
電車怖い。車社会最高。もう戻るのは無理だな・・・・。
人間の慣れってのは怖いもんです。
さぁ、今日はとても大事な作業。
ドロップトップのセミオーダーモデルの続きです。
ボディの木工があらかた終了したら、
いつもと同様ピックガードを合わせておきます。
私のモデルには珍しく、
ハムバッキングピックアップが載るようですね^^;
写真中央の2枚は、
左側が生地磨きの最初の段階。#150という荒い番手です。
右側はその後#240、#320と経て、#600で磨き上げた状態。
木目もカーリーもよりハッキリしているのが見えるでしょうか?
さらに右側のように、木材を軽く湿らせ、
ケバを立たせ、乾いたらそのケバを研磨して、塗装前の準備が完了です。
通常の塗装工程は、
以前ご紹介した通り、
目止め ⇒ 下地 ⇒ 着色 ⇒ クリア
このように進めます。
ただ今回はもう一手間。
目止めの前に、カーリーメイプルの染色を行います。
まずは、染色しない部分を丁寧にマスキング。
ボディの淵は色を付けずに残しますので、
外周ラインに沿って2ミリほど丁寧にマスキングを施します。
このあと染色をするのですが、
この作業、やり直しは出来ません。
木材に染料が染み込みますので、
一度染まってしまったら、
それを完全に除去するのはまず無理です。
つまり、とっても緊張します。
万が一やらかしたことを想像すると、
やっぱり染色はやめとこうかとも、いつも思います。
もちろんこの後、色味、濃さなど、
様々なパターンを実験しました。
木材の色とかけ離れたこの手の色は、
なかなか思い通りに行きません。
そうして色が決まったら、
写真中央の様に、思い切ってベタ塗り!
布に塗料を付けて、ほんとに塗るだけです。
この写真だけ見たら当然、
「濃すぎじゃない?せっかくのカーリーがあんまり見えない・・・」
ってなるんですが、
もちろんわざとです。
このインディゴブルーが乾いた後、
マスキングをはがして、着色面を研磨したのが右側。
いかがでしょうか?
カーリーメイプルやキルトメイプルは
杢理に沿って、塗料の染み込み具合に大きな差があります。
染色し、それを研磨することで、
その染色ムラが見事な模様となって現れます。
このような木材を活かすテクニックですね。
ちなみにこのギター、
着色本番はまだまだ先です。
この作業はあくまでも、
カーリーを目立たせる下準備。
もっともっと深く、高級感あるふれる
カラーリングになる予定でございます。
お楽しみに!