通信簿

ジュビロ磐田のレジェンド、

あの7番がもう監督になって帰って来るようです。

そんな神通力に頼らなければならないほど、

J1復帰が怪しくなってきました・・・


彼のご実家は私の母校(静岡県藤枝市)の目の前です。

ところが、彼はその目の前のサッカー名門校ではなく、

ライバル清水の名門校を選びました。


それ以来、ジュビロでどれだけ活躍しても、

日本代表でアジアカップMVPになろうとも、

心のどこかで「このうらぎりもの~!」

という余計なお世話な感情を抱き続けている私です。


でもこの際、J1に復帰出来たら

全てを水に流すから、

よろしくお願いします!


と、シャムスカ監督解雇、名波監督就任の一報を聞き、

複雑な心境の吉田です。



さぁ、秋も深まってまいりまして、

セミオーダーギター製作も終盤です。


今日はご家庭ではなかなか難しい

「バフがけ」作業です。

綺麗に見えますが・・・
綺麗に見えますが・・・

上の写真は、トップコート塗装後、

しっかり乾燥させたネックです。


一見綺麗な塗膜に見えますが、

拡大したのが右側。

表面に反射する光が、すこしボコボコしているのが見えるでしょうか?


このままで仕上げているメーカーやモデルもありますが、

やはり私は、「グロスフィニッシュ」と呼ばれる鏡面加工が好きです。


その為にまずは、

この塗膜表面を、またまた研磨します。

はやる気持ちを抑えつつ
はやる気持ちを抑えつつ

この作業はとても目の細かいサンディングペーパーを使って、

塗膜表面のわずかな凹凸を削り、平滑にしていく作業です。

研磨することで上記のように表面はまた傷が付き、

光の反射は小さくなりますので、

塗膜表面の状態の見極めがとても難しいです。


研磨が足りなければ仕上げが汚くなりますし、

かといって研磨しすぎると、

部分的にトップコートが剥がれ、

着色層がでてきてしまったりします。


そんな見極めに重要なのは、経験と、「視力」だったりします。

親からもらった、この両目視力2.0は、

私のギター製作の大きな武器です。

バフをかけると、ご覧の通り!
バフをかけると、ご覧の通り!

さぁ、いよいよ仕上げの作業、バフがけです。

高速回転する布に研磨剤を塗り、

それを塗膜に押し当てることで、

塗装表面を磨きます。


バフがけに使うのは、上写真の「バッファー」という機械。

国内ではこのサイズのものの流通が少なく、

ギター工場などはどこも特注で作っています。

私も工房開設にあたり、

「海外から取り寄せるしかないかなぁ・・・」と思っていたら、

エコノミーサンダー導入でお世話になった業者さまの倉庫にお邪魔した時に、

偶然上のバッファーを発見!

ホコリかぶりまくって、動くかどうかも分かりませんでしたが、

サイズや構造を見てその場で購入をお願いしちゃいました。

さらにはその業者さまが大変親切で、

外見も塗装し直し、ベルトも交換、

さらには、インバーターまでサービスしてくれました。

つまり、バフ布の回転速度まで、自由自在にコントロール出来るんです。


この機能は初体験でしたが、とんでもなく良いですよ、母校の先生方。


ちなみに、こんなマニアックな業種のわがままに答えてくださったのは、

静岡県焼津市の、有限会社鈴木機械さん(うちから15分!)です。

お探しの機械がありましたら、是非相談してみてください!

製作家だけが見ることが出来る景色です
製作家だけが見ることが出来る景色です

この作業、もちろんとても難しいです。

重要なのは、集中力と、慎重さと、度胸です。

高速回転する布が相手ですので、

とにかく様々なことに留意しながら進めなければなりません。


摩擦による「熱」もこの作業の大きな要素ですので、

季節によって大分勝手が変わります。

特に冬は静電気がもうすさまじく、

「イタッ」じゃすまないピカ○ュウ並みの電撃が

作業中不意に襲ってくることもあります。




そうこうして、

なんとかバフがけが終わったネック、ボディは、

まるで静かな水面のような、美しい鏡面を備えます。


上の写真の様に、

映り込む光にゆがみが無い状態は、

木工からここまでの、全ての作業をきっちりこなさなければ、

決して見ることが出来ない景色です。

高級なギターと、リーズナブルなギターで、

大きく仕上がりに差が出る部分でもあります。


木材で出来ているギターは、

この後木材の変形やヤセにより、

その上の塗膜にも徐々にゆがみが生じてきます。

塗料自体まだまだ乾燥していくため、

痩せたり縮んだりしていきます。


つまりはこの「バフかけたて」のプリッとした美しい姿は、

クラフトマンだけが見ることが出来る特権であるとともに、

ここまでの作業の通信簿を突き付けられている瞬間だったりします。



さぁここからは、

いよいよ楽器として仕上げていく作業。

でも1つ、パーツが納品されてなーいTT

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静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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