子供が保育園で譲り受けたアデノウィルス(プール熱)をさらに譲り受け、
まるでかわいいウサギちゃん(飲み過ぎで二日酔いがひどいおじさんとも言う)のような
真っ赤なお目目の吉田です。
ギックリ腰に始まり、なかなかスリリングな盆でございました。
前回の投稿内容がやや乱暴で、
読み返すと明らかに説明不足ですので、
さらに補足を加えながら、
懲りずに持論の展開を続けます。
このような内容の記事はあまり見かけことが無く、
また正解も無いものですので、
これが皆様との新たな意見交換の場となれば幸いです。
まずは前回の投稿、
「アルダーもアッシュもマホもおんなじ」
ってところばっかり目立ちますが、
誤解です^^;
あくまでも、
「しっかり乾燥した材で同じ重さ」では、
「それほど差が出ない」ということです。
ただ現実的には平均的に
スワンプアッシュ<アルダー<マホガニー<ホワイトアッシュ
の順で重たくなりますので、
全ての材を同じ重さで比較すること自体難しいです。
アルダーもアッシュもマホも、
数多くの木材の中から、ギター用材として生き残った
エリート中のエリートですので、
音響特性は良いに決まっています。
そうなってくると材種よりも
重さがサウンド(弦振動)に与える影響の方が
はるかに大きいと私は思います。
という、長ったらしい言い訳でございました。
これで終わりではせっかく読んでもらって申し訳ないので、
ボディの構成の中で、
音に与える影響が大きい部分をいくつか挙げてみたいと思います。
弦楽器である以上、その弦の振動を受けやすい場所ほど
大きな影響を与えます。
・ブリッジ
当然ですが、弦を直接与えるブリッジの様々な要素は
音に与える影響はとても大きいです。
重たければ重たいほどブリッジは弦振動を伝えないため、
ボディ鳴りはその分乏しく、サスティンは長くなります。
シンクロナイズドトレモロをベタ付けにするか、フローティングにするか
これだけでも全然違いますよね。
さらに加えると、
そのブリッジを支える木材の硬さ、質量も重要で、
これはつまり、トップ材の有無なんかでも変化します。
・ネックジョイントの方式
ギターもベースも、ボディよりネックの方が大きく振動します。
そのネックとのジョイント構造も大きな影響があります。
良く言われる通り、ボルトオン、セットネック、スルーネックそれぞれで
全く異なるキャラクターになります。
もう少し加えると、ボルトオンやセットネックは、
そのジョイントの面積や加工精度でも大分変化します。
・ネック周辺のボディ形状
これは上ともつながりますが、
何フレットあたりからネックとボディがつながっているか、
これはネックの振動に大きく影響します。
これは高音弦側、低音弦側、それぞれのデザインで意図的に変化させられます。
例えば一般的にシングルカット(低音弦側にカッタウェイの無い)デザインは、
低音弦側の鳴りが抑えられ、タイトな低音が出る傾向にあります。
Fodera社やBenavente社のシングルカットベースなどは
その極端な例と言えます。
あれはそのデザイン性に目が行きますが、
低音弦をよりしっかり鳴らす目的が大きいと思います。
他にも挙げればきりは無いのですが、
上記全て、個人的にはボディ材の選択と同等、もしくはそれ以上に
サウンドに対する影響は大きいと考える部分です。
アッシュを使えば抜けの良い音になるとか、
マホを使えば暖かい中域が出るとか、
ギターはそんな単純明快なものでは絶対にありません。
全てのパーツ、木材がそれぞれ影響し合って、
初めてその楽器の個性が生まれます。
なるべく偏見を持たず、情報に流されず、
自分で考え、理論的にアプローチしていくことも
私は常に大切にしています。
このように思えるのも、
専門学校講師時代に、
やんちゃな若人たちが製作する
1000本以上のオリジナルギターに触れてきたからです。
それらが奏でる個性的なサウンドは、
私が広告等から影響されていた既成概念を根底から覆す、
素晴らしい経験でした。
あとはネックのサウンドについて書きたいのですが、
これはまたしばらく後にしようかなと思います。
また明日以降、
普段の業務内容を中心にお伝えしていきますので、
お楽しみに。