書きたいことを忘れないうちに
連日のブログ更新です。
というのも、数年ぶりにギックリ腰を患い
まぁつまりこの作業出来ないタイミングで
書き溜めしておいて、
そのあと少しさぼろうという作戦であります。
いやぁ、娘のためにバッタ採ろうとしたら、
こんなことになるとは・・・・
気を取り直して
昨日の「鳴り」の続きです。
そもそもこんな記事を書こうと思ったのも、
どうも世の中、「鳴る楽器の方が良い」という風潮があるようです。
個人的にも「鳴る」楽器は好きですが、
「鳴り過ぎ」な楽器は困ります。
変な言い方ですがあくまでも
「一般的なストラトより少し鳴る位」な楽器を好みます。
昨日の投稿の様に、
とにかく鳴り(楽器全体の振動・共振)を追い求めると
以下の様になる傾向があります。
・低、中音域の迫力不足
これは単純に、比率の問題です。
高音域の音量が大きくなれば、
その分低、中音域は小さく聞こえてしまいます。
・ゲインアップ時の音程感不足
倍音が豊富なサウンドを深く歪ませると、
異なる音程の倍音成分も大きくなり、
音程感がおかしく聞こえることがあります。
深く綺麗な歪みサウンドには、過度な鳴りはご法度と言えます。
・サスティンの減少
楽器が鳴るということは、
弦の振動エネルギーがそちらに消費されている
ということですから、
その分弦振動は短くなってしまいます。
・デッドポイントの増加
これは個体差によるところも多いですが、
鳴る楽器はその分打ち消しあう周波数帯も多くなり、
運が悪いと極端なデッドポイントを生み出す恐れがあります。
細かいことを言い出すと切りがありませんが、
つまりは鳴り過ぎには注意が必要で、
楽器の中で鳴らす部分は鳴らす、
抑える部分は抑える、
そうしてバランスを取らないと、
本来の目的とはかけ離れたサウンドになりかねません。
例えば日本では、
薄い塗膜が良いとする向きがありますが、
これもその鳴りの良さから来る部分かと思います。
もちろん薄い塗膜が合う楽器もありますが、
ある程度しっかりした厚みを乗せて、
サウンドをまとめることも必要な場合もあります。
まだ駆け出しのころ、
とにかく鳴るギターをと思い、
ボディもネックも軽量のマホガニー材を
極薄塗装で仕上げたものを作りました。
その冗談みたいなサウンドは
是非悪い例として、皆様に聞いていただきたい位です^^;
Y.O.S.ギター工房に楽器製作をご依頼いただくお客様とは
このような部分までしっかりとご相談させていただき、
ハンドメイドならではのサウンドプロデュースが出来たらと
考えています。