また更新が数日滞ってしまいました。
書きたいネタはたくさんあるのですが、
なかなか上手くまとまらず、困っています。
というわけで今日からしばらく、
最近いろんな方との話に上がる、
「楽器の鳴り」をテーマに、
Y.O.S.なりの考えを書いてみたいと思います。
ただ、前もってお伝えしておきたいことが2点。
まずはこのテーマ、正解はありません。
音の好みは人それぞれで、誰から強要されるものでもありませんので、
私と考えが異なる方もいらっしゃると思いますが、
「そんなもんかなぁ」くらいでとらえてくださると助かります。
さらに私は基本的に、にぎやかな(うるさい)サウンドのギターが好きです。
以上を踏まえてお読みいただけると幸いです。
皆様も、自分の理想のサウンドを奏でるための
ギターのスペックを
是非思い描いてみてください!
まずは、一般的に「これ鳴るなぁ」と言われる楽器の共通点は、
高音域の出方にあるようです。
ただし、どこかの音域だけ極端に突き抜けていても
それは変な音に聞こえるようで、
「良い鳴り」としてとらえられるものは、
幅広い音域の倍音がバランス良く出ている必要がありそうです。
本来ギターの音源は「鉄弦」だけなのですから、
そのサウンドは金属的な倍音に集中しています。
それが「良い鳴り」とはいきませんね。
ところがそこに、木材の共振、フレットの金属音、金属パーツの共鳴、
様々な要素が加わり、その楽器のサウンドが構成され、
それぞれの楽器の個性が生まれます。
その複雑な倍音を得るのは意外とかんたんで、
各材、パーツをより軽く、振動し易いものをチョイスしてみましょう。
例えばこんな仕様はいかがでしょうか?
当工房のセミオーダーモデルStellarを
オールサーモウッドで構成させました。
ボディは「鳴る材」の代名詞アッシュのサーモウッド。
ネックはサーモメイプルの1Pです。
このチョイスだけで、絶対に地味な音になることは無いと思います^^;
でもそれだけじゃあ面白くないので、
ステンレスフレット、ビンテージタイプの軽量ペグをチョイス。
このあたりもより軽快な倍音をプラスしてくれることでしょう。
ブリッジはあえて鉄ブロックのものを避け、
チタンサドルなど乗せてみたらすごいかもしれません。
もちろんトレモロはベタ着けです。より振動を伝えなければ!
鳴りを変化させる要素はまだまだあります。
例えば、ネックの寸法。
ネックの厚み、シェイプなどでその質量は全然違いますので、
当然ネックの振動具合も大きく変わります。
ヘッドの大きさ、厚みももちろん重要です。
他にも、塗装の厚みも大きな要素ですね。
厚い塗膜は楽器の振動を確実に抑えます。
逆に、オイルフィニッシュなどは
木材本来の鳴りに近いものがあるはずです。
このように考えていくと、
鳴りの良い楽器を作るのは、それほど難しくはありません。
ただ世の中そうならないのは、
いろいろなデメリットがあるからですね。
明日以降はそのあたりを掘り下げていければと思います。