ふと気が付いたら
前回のブログ更新からもう1週間。
順調に更新ペースが落ちていますね・・・・。
そして、菊川ハンドメイドギターショーまで
あと一か月となりました。
時間が経つのは早い早い。
そしてそのハンドメイドギターショーで全貌公開予定だった
Fodera NYC Empireのバックアイバールカスタマイズ。
光栄なことに、
デジマートの人気コラムで画像を使わせてほしいとの打診をいただき、
ご依頼主同意の元、
めでたくその全貌を沢山の方に見ていただくことが出来ました。
当工房や菊川ハンドメイドギターショーについてもご紹介いただき、
感謝感激。
まだご覧になっていない方は、
是非デジマートコラム「木材~トーンウッドの知られざる世界」を
ご覧ください。
こちらでも、
存分にその禍々しい様子を
ご覧いただきましょう。
これぞバール。これぞバックアイ。これぞマスターグレード。
ここまで存在感のあるバックアイバール材を見たのは、
私も初めてかもしれません。
グロスで丁寧に仕上げましたので、
光の透過により、
一般的なバックアイのイメージよりも
さらに陰影のハッキリした仕上がりとなりました。
もう少し詳細を見てみましょう。
ボディは元のスワンプアッシュ材のトップを削り、
バックアイバールとの間に、
薄いブラックウォルナット材を挟みました。
丸みを帯びた外周形状に3色の断面が見え、
まぁカッコいいこと。
ヘッドの一部にも、
バックアイバール材をはめ込みました。
強度を落とさず、特徴的な蝶のインレイもそのまま生かすデザインです。
ピックアップは専用のカバーを製作。
こちらもバックアイバール材をあしらいました。
ボディと同様しっかりと塗装をし、
グロスで仕上げています。
こういったカスタムパーツも、
ボディ側キャビティにタイトに納めてはじめて、
高級感が出てくるものです。
隙間だらけでは雰囲気台無しですからね。
ノブには、
最近私が頼りっきりの、
畑精密工業さん特製、ローレットストレートノブを採用。
中村社長にワガママ言って、
センタークリック付ポット用に、
ドットポジションマークを入れていただきましたよ。
これによってこのベース、
Y.O.S.ギター工房 × FINEWOOD × 畑精密工業の、
菊川ハンドメイドギターショー仕様コラボカスタマイズとなりました。
もちろん予定通り、
本番でも展示させていただきます。
写真ではこの魅力の半分も伝わっておりません。
是非生でご覧いただければと思います。
最後に、このカスタマイズの全貌をまとめてみましょう。
今回のご依頼により、
カスタマイズされた項目は以下の通り。
・トップ材にバックアイバール材を使用
・ピックガードを撤去ボディ厚をピックガード分追加
・ヘッドにバックアイバール材による装飾
・ピックアップを純正シングルコイルからSeymour Duncanソープバーハムバッキングに変更
・フロントピックアップ位置をブリッジ寄りに変更
・専用ピックアップカバーを作成
・ブリッジ下部に特製サスティンプレートを追加
・純正プリアンプからY.O.S.ギター工房特製プリアンプに変更
・コントロールを追加
・ジャック位置をトップからサイドに変更
・バッテリーボックスを背面に追加
・ストラップロックピンをボディ埋め込み加工
あまりの外見のインパクトで忘れがちですが、
今回のカスタマイズの目的の大きな要素として、
サウンド面の強化があります。
このベースが抱えてしまっていた
低音弦の締りの無さをいかに改善するか。
様々な制約がある中で、
これまでの経験や知識を総動員し、
対応させていただきました。
その効果はご依頼主も驚くほど。
私も
単なる木工職人ではなく、
楽器職人であることを実感できる、
充実した仕事となりました。
ありがとうございました。